内容説明
現在、邪馬台国の所在地については、九州説よりも畿内説が有利になっている。この理由の一つとして、九州説を支える「短里説」に大きな弱点があることが考えられる。この「短里説」に替わる考え方として、本書では、魏志倭人伝に記述された邪馬台国への道程がすべて五倍されていると考える、「旅程距離五倍の法則」を提唱する。これにより、短里説では不可能な不弥国から邪馬台国への日数で書かれた距離の短縮が可能となる。さらに、魏志倭人伝解明には大きな山がある。魏志倭人伝の旅程距離のほとんどは里数で記されているのに、なぜ不弥国から邪馬台国までの距離だけが日数で書かれたか、という問題だ。本書ではこの問題にも明確な答えを導き出すことができた。この部分だけ日数で書かれたことには、重要な理由が隠されていたのである。そして、このことが「旅程距離五倍の法則」が真理であることを証明することになるのである。
目次
第1章 魏志倭人伝の解明(邪馬台国とは 邪馬台国は会稽東冶(呉)の東方海上に位置するように改竄されている ほか)
第2章 遂に明らかとなった邪馬台国の所在地(邪馬台国の四つの候補地 最終ヒントにより邪馬台国の所在地は一カ所に絞られる ほか)
第3章 邪馬台国畿内説はなぜ脚光を浴びたのか?(恣意的な仮説は危うい 従来の邪馬台国研究と私の研究の比較 ほか)
第4章 邪馬台国への道(狗邪韓国から邪馬台国へ 邪馬台国の所在地を拡大解釈しても畿内には遠く及ばない)