内容説明
僕には小説しかない、小説家になるしかないんだ――。作家を目指して早9年経つが、一向に芽が出ない。平凡な会社員の僕には過ぎた妻と幼い長男がいて、家族の生活を支える身だ。時折よぎる不安。だけど、僕には才能がある。そう信じている! 果たして作家志望の男・伊留香総一郎(いるかそういちろう)は夢を叶えられるのか!? 感涙必至! 覆面作家の虚実入り乱れたデビュー秘話小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
森オサム
47
著者の自伝的小説ですが、虚実の入り混じり具合は分かりません。デビューまで17年かかったのは本当な気がするが、奥さんは良く書き過ぎでは(笑)。小説や作家の実名が沢山出て来る所や、小説の書き方みたいな部分は興味深く読めました。ただ残念ながら、主人公に全く感情移入出来ず気持ち悪さが拭えなかった。昔一冊だけ著者の作品を読みましたが、当時の感想に「登場人物に感情移入出来なかった。着想は面白いので残念。」と書いてました。著者に対する評価は変わらなかった様です。当然ラストはデビューで終わるんで、読後感は良かったですが。2016/08/13
barabara
22
何とか成就して…!と思いながら最後まで。私が奥さんだったら精魂尽き果てそう…。夢叶ってよかった。私でも読んだことあるのだから、やっぱすごい。2014/12/13
トリプルアクセル
21
鯨先生の作品はかなり読んでいるが、タイトルで読むのを敬遠していた作品。しかしながら、今まで読んでいなかったことを後悔するほどの面白さだった。自伝的小説とはいえフィクションの体裁をとっているので、真実ではないかもしれないが、これを読むと作者の創作理論がわかって面白い。近年のライトな作品も新たな発見がありそう。結末が決まっていても泣ける感動作だった。2017/11/09
ううち
20
今まで読んできた鯨統一郎さんの作品がこのアイディアノートから出てきたのかと思うと面白い。シャンプーのラベルやソースの原材料をじっくり読んでしまうのはやっぱり活字中毒なのかな(笑)2014/05/23
coco夏ko10角
19
『作家で十年いきのびる方法』がよかったのでこちらも。自伝的小説。妻・陽子さん、はっきり言ったこともあったんだなぁ。主人公はすごく努力してるように感じるけど、そうか、好きで続けていることだから…。どうなるかわかってても最後は感動して泣きそうに。邪馬台国も読もう。2017/09/26