内容説明
学校で出屋敷市子は「カッパー」と呼ばれている。彼女のまわりではありえないことばかりが起こるからだ。だからカッパー、デビッド・カッパー・フィールド。同級生の葛葉芹香が撮った写真に偶然写りこんだ市子は、その写真を消去するようにと芹香に迫る。消し忘れているうち、小さな幸運が次々と市子に舞い込むが、それは凶事を呼び込む幸運の無駄遣いだった……。博学天狗にもふもふ狐ほかも登場するオカルティックファンタジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
流言
72
レベル99は、強いけど凄くはない。武器屋のカウンターの奥にある宝箱が採れるようになるわけではないし、メタルキングをグーで殴り倒せるわけでもない。イシツブテを一撃で倒すことさえできないかもしれない。結局、レベル1でできることの延長線上にあることしかできない。出屋敷市子からはそんなことを連想した、家族と友情、妖怪の関係を描いたハートフル作品ーーと思うじゃん? というところがいかにもメフィスト賞作家である。スピンオフ作品ということを読了してから知ったが、この作品からだと親作品がどんなものなのか想像もつかない。2014/11/06
ひめありす@灯れ松明の火
68
これはあれでしょうか、世間一般で言う所の俺TUEEEEE!!ならぬ私TUEEEEE!!というやつなのでしょうか。確かにこれ以上彼女強くなりそうもない。というか、強くなると世界をゲームみたいにオールクリアするか多分別次元に行ってしまう。完全犯罪研究部以外ではお初になる汀さん。駄目なのにえらい人な市子のお父さんが好きです。一話目から三話目と四話目が話がよくかみ合わなかったけれど、どうやらこれは幾つかの繰り返した並行世界の成功例?という事で良いのでしょうか……。そしてぜひ、史郎坊さんとはお友達になりたい………。2014/03/25
のっぱらー
58
最近、あまり意識してないんだけど、比較的妖かし系の作品が多い気がする。。。この作品もそんな妖かし系。様々な妖かしを率いる市子。同級生の芹香が偶然撮った写真に市子が写り込んでしまったことからとんでもない事件が巻き起こることに。。。 途中まではなるほどなるほど、ッて感じだったけど、終盤の展開になんだかついていけなくなりました。。。 次作も積んでるけど、ちょっと復習しないとだめかも(・・;)2016/04/14
Yobata
51
超能力を持つと噂されてる出屋敷市子の写真を撮ってしまった葛葉芹香はラッキーな出来事が続く。しかしその代償は大きなものだった。護法の才能を持つ出屋敷市子と妖怪たちの物語…。これは…結局護法の世界ではレベル99だけど一般世界についてはレベル1な少女が友人や父親との交わりで世界を知っていくというのがテーマなのか数々登場する妖怪達が起こす騒ぎがテーマなのか曖昧だしどちらも中途半端な感じで終わった感があるな…。最後のループも根本的な解決はせずに終わったし…。最高峰の力を持ち、その力と知識を持って達観してる市子が→2015/09/16
おかむー
51
ありきたりな中学生葛葉芹香はやんごとなき生まれであまりにも強大な「力」を持つ出屋敷市子とその護法の妖怪たちと関わりを持つ。『もうすこしです』。会話のノリや漫画・小説好きにはうれしい小ネタが散りばめられる文体は読みやすく好感触なのだが、三話目までの浮世離れした美少女とそれに関わる妖怪達という設定は少年マンガ・少女マンガにありがちな感じ、四話目で路線変更してループものになるが、読み応えはあるものの唐突な違和感はぬぐえない。登場人物や妖怪達のキャラクターも魅力的な反面、いまひとつオリジナリティが弱いところが残念2014/10/21