内容説明
「私の属国理論は、これから先、日本人学者たちからの検証と反論にあっても簡単には滅びないだろう。それは、私が集めた諸事実が、諸外国(外側世界)では当たり前のように通用している諸事実だからである。私が書くことは、日本人にとっては初めて耳にするような驚くべきことが多い。人によっては、まったく聴くに耐えない厭なことばかりだろう。諸外国では高校生でも知っている事実が、日本国内では流通しないようになっている。長年、そのように意図的に日本国民を、外側世界の常識から隔絶し分離する政策が隠然と採用され、長年実行に移されて来たからである」……原本が発刊された2002年当時よりも、さらに深められた思考が、校正ゲラを真っ赤に塗りつぶしたかと思われるほどの大幅な加筆修正を経て表現され、生まれ変わった一冊となった。既読の読者も読み逃せない、気迫あふれる復刊。
目次
1 属国日本の学問(関西のある学術団体への寄稿文 F.フクヤマの『「大崩壊」の時代』を読んで考えたこと ネイティビズムとビヘイビアリズム ネイティビズムとビヘイビアリズムの続き 旧石器発掘ねつ造事件と、「日本文明派」の壊滅と西尾幹二のおわり ほか)
2 日本の政治とアメリカ政治思想(政治問題を考える際の目のつけどころ 米原潜衝突事故と森首相の責任問題について 私の属国論が広がりつつある 映画「パール・ハーバー」について ポピュリズムとは何か、についてしつこく再度説明する ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hiroki Nishizumi
3
聞く耳を傾けるに値するような良い内容もあるのに、暴言的書き方や時に投げやりな文もある。もったいないな・・・2015/02/12
はる
1
副島節炸裂です。しかしながら内容には納得。「騙されるな。操られるな。単純な発想をするな。今の自分自身の考えそのものを、疑え。そして、反対者の意見の中の真実に目を向けよ。何枚でも真実をめくってゆく、という思考方法を身につけよ。」2014/03/29
羽生沢
0
父親から譲り受けたものだが、なかなか痛烈に日本の社会科学の後進性を批判していて好感が持てた。この痛烈さと言論への情熱はゴーマニズム宣言に通じるものがある。まあでもこっちの方がアカデミックか。結構言いたい放題言うので好き嫌いが大きく分かれる本だけど個人的には結構気に入った。2014/03/21
げんごろう
0
素直に読んだら結構面白かった。 知らないことばかりだった。 アメリカのことを本当は何も知らないことに気づいた。2019/06/15
ind
0
2000年代前半の著者が主催するホームページでの文書を主に掲載しているためか、内容が古くて期待していたものとは違い落胆した。 しかし、その時点でアメリカ経済が沈滞したときに、白人労働者を中心にポピュリズムが起こるだろうとの予測が、トランプ政権の出現を予測したことに著者の慧眼を見た。2018/03/19