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内容説明
相次ぐJR北海道の事故・不祥事を招いたものは何か? 背景にあるいわゆる「JR三島会社」の経営難や、国鉄民営化の際の見通しの甘さを踏まえ、その構造的問題を指摘する。
目次
第1章 明るみに出たJR北海道の不祥事(問題の発端―石勝線で発生した列車脱線・火災事故 続発する特急形ディーゼルカーの不具合 函館線での貨物列車の脱線事故とずさんな軌道整備作業)
第2章 JR北海道をめぐる問題点(千歳線以外はすべて赤字路線 国鉄時代に廃止が決まっていた路線を除けば、整理できたのは深名線だけ 運賃・料金は安すぎる 運賃・料金値上げの壁 JR北海道黒字化のからくり 減免される固定資産税、都市計画税、軽油引取税 押し付けられた北海道新幹線)
第3章 JR北海道が生き残るために(金があればすべて解決するのか JR北海道の問題、労働組合はこう考える 具体的な生き残り策)
第4章 識者の意見(堀内重人氏の意見 石井幸孝氏へのインタビュー)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
20
公共性が高いながらもそもそも赤字にならざるをえないJR北海道の苦悩がわかります。根本的な解決は浮かばないですが、国民の生活を守る義務が国家にはあると思いますので、鉄道だけではなく北海道全体を日本国としてどう発展させるのかを実行しなければならないと思います。2023/11/26
Ray
11
まずタイトル、JR全社みたいな事が書かれているような印象を受けてしまうが、連続して発生したJR北海道の事故等を取り上げた内容。著者の見解だけでなく、JR北海道の各労組の考え、識者の意見も合わせて紹介されている。本文中、石井幸孝元JR九州会長の「経営にデザインを取り入れた」という話も非常に興味深かった。石井氏の著書もあったら読んでみたいと思いました。2015/01/16
東隆斎洒落
6
14.03.10◆JR北海道の相次ぐ脱線事故を、国鉄民営化から遡って、鉄道ジャーナリストが究明。◆24時間暖気運転を余儀なくされるJR北海道ディーゼル車の燃料コスト、電車より手間のかかるメンテナンスコストなど、利用者不足以外の要因によるコスト高構造を知る。また、現場・現物・現実の3現主義をおろそかにして技術屋を育ててこなかったツケも大きい。◆副題にある「なぜ事故は起こったのか」の真因、例えば労使対立の構造や、国営シガラミと民営との対立など、踏み込んだ内容を期待していただけに、事実の羅列のみに少々ガッカリ。2014/03/10
epitaph3
6
JR北海道の事故の本かと思いきや、タイトル通り、JR自体の崩壊についての記述あり。同じJRでも会社が異なるから体質が違うというのは思いもせず。JR北海道の生き残り策と、識者の意見が興味深かった。頼むから、運転し続けてくれ。応援する。2013/12/19
Francis
5
事故の相次いでJR北海道を中心に論じた本。JR北海道の経営環境のあまりにもの厳しさには涙が出そうになった。これでは経営陣、従業員を責めてばかりもいられない。当面の対策として値上げをするのは当然として、上下分離などの抜本的対策が必要なのだろうけれど、著者は実現を困難視しているのが残念。後半の識者お二人の意見は大変優れており、特に国鉄九州総局長、JR九州社長を務められた石井幸孝さんの「JRの鉄道事業は国そのものなのです。」という言葉には鉄道マンの誇りを感じた。2014/08/16