角川文庫<br> 誰か故郷を想はざる

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角川文庫
誰か故郷を想はざる

  • 著者名:寺山修司
  • 価格 ¥462(本体¥420)
  • KADOKAWA(2014/01発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041315293

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内容説明

「おまえは走っている汽車のなかで生まれたから、出生地があいまいなのだ」。一所不在の思想に取り憑かれた著者は、やがて母のこの冗談めいた一言に執着するようになる。酒飲みの警察官の父と非嫡出子の母との間に生まれて以来、家を出、新宿の酒場を学校として過ごした青春時代を表現力豊かに描く。虚実ないまぜのユニークな自叙伝。

目次

第1章 誰か故郷を想はざる(汽笛 嘔吐 羊水 誰でせう 排泄 庭 へっぺ 聖女 神 空襲 玉音放送)
第2章 東京エレジー(友人 賭博 政治 反読書 戦後 旅路 大学闘争)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

120
寺山氏の自叙伝。警察官でアルコール依存の父、内職しながら一家を支えた母。そんな彼の両親のことと幼少時代から学生時代のこと。戦時中から戦後の出来事や、さまざまな人たちとの出逢いから東京に想いを馳せていた寺山少年の側面であり、その後の作品群の源となった欠片たち。かくれんぼ、見世物小屋に関する話がやはりせつなくて物悲しい。そして昭和の哀愁が全体を包んでいた。 2014/04/25

北風

38
寺山修司の半生記です。どこまでが現実で、どこまでが創作か、よくわかりませんが、読んでると「ズシーン…」と気持ちが滅入ってきます。しかし。でもしかし。普通の作家なら、そこで読むのをやめてしまうのですが、それでも続きを読んでしまう。…もしかしたら、それが寺山修司特有の凄みなのかも知れないと思いました。2015/03/23

usui

20
寺山修二さんの自叙伝。自叙と創作がないまぜらしく、どこまでが実体験なのかわからないが、体験が真実かどうかはあまり重要ではなく、体験を通じて寺山さんがどのような言葉を操るのかという方に興味があった。色々と面白い言葉遊びがあったが、今回成程と思ったのは次の一節。――実際、われわれは生活の中でゲームではない賭博をしている。「職選び」「妻選び」「理想選び」から「シャツや上着選び」「雑誌選び」にいたるまで、選ぶことはすべて「賭けること」である――。選択を賭け事だと思えば、変わり映えのない日常も少し面白くなるのかも?2015/08/20

松風

18
青森旅行の予習。生い立ち~青年期を振り返りつつ、美学を語るエッセイ。「いっちょう、言葉を地獄にかけてやるか!」(十七音)。こういう箴言めいたものの束が、高校生の頃無性に格好良くみえてたなぁ。2014/07/19

金吾

17
やはり著者は読ませる力はある作家だと思います。さして面白いことを書いているわけではないですが、ところどころクスッとします。「神」「晩年」「線争論」「大学闘争」は面白かったです。2021/04/19

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