―<br> つかのまのこと

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つかのまのこと

  • ISBN:9784040650630

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内容説明

作家・柴崎友香が俳優・東出昌大をイメージし純文学小説を執筆。
さらに、<物語>に合わせ写真家・市橋織江がその世界観を撮り下ろし。

作家、俳優、写真家。各界で第一線を走るクリエイター3者が集結し、<一冊>を作り上げた、“新しい純文学”。

◎内容紹介

「わたしのほうが幽霊である、と気づいたのは、
早い時期であったように思う。」

かつての住み家であったのであろう、“この家”を彷徨い続ける“わたし”。
その理由がわからないままに時は移り変わり、家には次々と新しい住人たちがやってくる。
彼らの光景を見守り続ける“わたし”は、ここで、いったい何を、誰を待っているのか――。
ラスト、あなたはその<結末>に、きっと涙する。

あなたは、大切だったあの人の“顔”を、覚えていますか?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

161
東出昌大を想定した当て書きの、フォトブック。主人公が幽霊、の設定。フワフワした空気感が味わい深かった。読んでいるうちに、写真の背景となった家がどうしても気になってしまった。テレビ東京の特番ドラマ『手紙』(東野圭吾・原作)に出ていた家のような気がして、途中から文章が中々入ってこなかった。2019/03/29

しいたけ

114
今を生きている時の「生」と、生きることが終わった後の「生」。切り離せない幽玄の世界に酔う。儚いのに凛とする。文と写真が織りなす時空に、胸をときめかせ飛び込んだ。東出昌大をたいして好きではなくても大丈夫。物語を体現した彼の存在の深さに、きっと誰もが圧倒される。まあ、私は東出昌大をたいそう好きなのだけれど。2018/12/16

tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。

87
☆5.0 思い上がりも甚だしい事、お許し下さればですね、仮にです、本当に仮にです、私が作家になれたとしたらです、この『つかのまのこと』のような文章で、この『つかのまのこと』のようなお話を書いてみたいです。 内容はですね、幽霊の“わたし”が“この家”に住み続けてしまったお話なのです。 2021/01/21

なゆ

85
とても好きな感じ。ざっくり言えば、古い家に棲み着いてる幽霊、それが東出くん。手にとった時は少々引っかかりを覚えたけど、読み始めると東出昌大の存在がしっくり馴染んでいる。静かなイメージを持ってたせいかな。この古い家の雰囲気に合うのかも。何が起こるでもなく、代々の住人の暮らしをただ見つめている。縁側で、塀の上で。なんだか猫のよう。まなざしが優しい。『家守奇譚』がふと浮かぶ。短すぎて読み足りない。もっと読んでいたい世界。写真よりももっと文章を増やしてもよかったんじゃないの?なんて言ってみたくなる。2018/11/22

ゆかーん

70
古い平家に住み着いた、幽霊の日常を描いた小説。東出昌大さんがモデルとなって、家の至る所に出没する幽霊の姿を再現しています。白のシャツと黒のズボン、その出で立ちからはどんな人物なのか全く分かりません…。己が己を分からなくなりかけながら、一人孤独に家に住み着く幽霊でしたが、家に住んでいる虫好きの少女との出会いが、彼に生という考えを植え付けていきます。時代は流れ、親しい人がどんどんいなくなる寂しさは死の世界。対する虫を探し生き生きと行動する少女からは生命力を感じます。陰と陽の相対する描写が不思議な魅力です。2018/12/12

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