内容説明
大型映画化。スパイ小説の巨匠が描くテロとの戦いの苛烈な諜報戦。一人の若者がドイツに密入国した時、女性弁護士、銀行経営者、そして諜報員たちの運命が大きく変わる! ドイツのハンブルクにやって来た痩せぎすの若者。彼はイッサという名前で、トルコ人の家に滞在することになる。イッサは体じゅうに傷跡があり、密入国していた。そんな折、銀行の経営者トミー・ブルーのもとに、一人の女性から電話がかかってきて、会うことになる。彼女の名前はアナベル・リヒター、慈善団体の弁護士だった。彼女は、依頼人のイッサがあなたに救ってもらえると思っていると言った。その後ブルーは自分の銀行に、ある人物の秘密口座が存在することを知る。 その頃、ドイツの諜報界はイッサを追っていた。イッサはチェチェン出身の過激派として国際指名手配されていたのだ。ドイツの諜報界が主導権争いに揺れ、英米情報部が介入してくる中、練達のスパイ、バッハマンは、イッサに迫っていく。そして、命を懸けてイッサを救おうとするアナベルと、彼女に魅かれ始めたブルーも、その暗闘の中に巻き込まれていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
90
いやコレきっつぅ。ラストの呆然感というか虚無感というか絶望感というか、まぁその余韻が圧巻でした。2025/08/02
サトシ@朝練ファイト
39
最後の数ページで納得、それにしてもクドクド長い話だったな。しかし、今だに執筆活動を続けていることに感謝の気持ちでいっぱい。2014/04/26
チェ・ブンブン
27
この秋、フィリップ・シーモア・ホフマン主演映画で公開されるぜ!逃げて逃げて逃げまくる青年イッサとスパイたちとの多言語心理戦が面白い。何故ロシア語、何故アラビア語かを考えながら読むとテンションがあがる。映画ではそこんとこを深く描けるかがポイントかなー2014/08/12
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
24
テロとの戦いにおける現代のリアルな諜報戦。 入り組んだ内容が中々把握できなくて、読むのに手間取りました~(泣)。 映画化されたものを観て、もう一度ザッと読み返して、ようやく理解できたかな。 正義の為とは言え、何ともやりきれない非情さです。 多くの人は気づかない所でこういう水面下の戦いがなされ、平和な日々が続いているんでしょうかね…☆2014/10/19
Kajitt22
22
1989年、ベルリンの壁の崩壊とともに、ジョン・ル・カレは過去の人になったと思っていたが、チェチェンとイスラム世界を背景に、鮮やかに現代の諜報戦を描いている。イッサの訳の分からなさは、今のISや、自爆テロを連想させ不気味だ。映画は未見だが、フィリップ・シーモア・ホフマンはトミー・ブルーだとばかり思っていた。2015/03/16