内容説明
ウェスティッシュ大学野球部の捕手マイク・シュウォーツは、痩せっぽちの高校生ヘンリーの守備練習に見とれていた。ますます強くなるコーチのノックを、この小柄な遊撃手は優美なグラブさばきで楽々と捕え、矢のような球を次々と一塁に送る。その一連の動きはまさに芸術品だった。「来年はどこの大学でプレーするんだ」と聞いた。「大学へは行かない」シュウォーツはにやりとした。「さて、そうかな」シュウォーツはようやく見つけたのだ。みずからの弱小チーム立て直しの切り札を―アメリカ文学界の新星が贈る、野球への愛にあふれる傑作小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吾亦紅
27
守備が天才的に上手い遊撃手ヘンリーは、大学野球部で頭角を現し、MLBのスカウトにも注目される。でもある試合からイップスに陥り、そこから抜け出せなくなって…。ヘンリーのまわりの人々も、それぞれの苦悩のトンネルの中にいる。逆転満塁ホームランはあるのか、ドキドキしながら下巻へ進みます。2020/03/01
りつこ
17
ああっおもしろいっ!もうなにこれ?奇抜な小説ではないのにどう展開してゆくのか想像もつかない。楽しい!2014/01/16
わたなべよしお
13
なかなか良い本です。でも、上巻はまだ主要な登場人物がやっと出揃ったという感じで、本格的な物語が始まっていない。もちろん、ヘンリーにも異変が起こり、学長の恋も、マイクの失望も、ベラの一歩も始まっていはいる。おかしくて、ちょっと妙で、少し切ない。いい物語になりそうな予感。2014/04/18
tom
11
アメリカの野球小説。守備の天才が主人公。ちょっと面白げな雰囲気がある。それはともかくとして、今どきのアメリカ小説には、同性愛が欠かせないのかしら。これは、少し前に読んだアーヴィングの小説のときにも思ったこと。この本では、主要な登場人物(大学の学長、61歳、私と同い年)と20歳少しの男の子と間の愛の発生が物語られる。20代の若者が(男であれ女であれ)40年上の男に愛を発生させるなんてあり得ない。こんなことをサイドストーリーに持ち込むのか、どうしてなのよと若干の違和感。まあいいか、しょうがないから下巻に進む。2014/01/04
turtle
8
アメリカのキャンパスを舞台とした野球プレーヤーたちを中心とした青春小説。 魅力的な登場人物の数々が絡み合って、この先、一体どんな風に展開するのか、実に楽しみです。2014/05/25