内容説明
物の修理が得意な骨董品屋生まれの高校生・物部惣一は、ある日、クラスメイトの月野原鞘音が「他人に不幸を撒く力」を持っていることを知る。その呪いのような力を持つがために、他人と距離を置き、空虚な表情を浮かべる鞘音の姿を見た惣一は、彼女を救いたいと思う。そんな時、惣一へ祖父から古い茶釜が届く。その正体は付喪神(つくもがみ)という、道具が精霊と化したものだった。幼い少女の付喪神に「つくも」と名付けた惣一は、彼女が持つ“お茶で心をもてなす能力”を使い、鞘音を救うべく動き出すが…!? 第12回スーパーダッシュ小説新人賞優秀賞受賞作！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
(●▲●)とらうまん(*^◯^*)
32
つくも可愛いよつくも。 スーパーダッシュ新人賞の優秀賞作品、審査員のコメントのなかにある「良い意味で頭の悪い登場人物」というのが非常にしっくりくる感じ。 ノリや展開はやや古めの王道系といったところ？コンパクトによくまとまった作品だったなという印象でした。 スーパーダッシュの刊行予定によれば続編出るみたいですが、単発作品としても十分に読める終わり方だったぶん、シリーズものとして成功できるかの真価が問われそう。 キャラクターが掘り下げられ深みが増せば、もっと化けるかも？【続きを買うかはまだ検討中】2014/02/02
中性色
24
初昔。どこか飛び抜けていたらその分粗が目立ってしまうんだろうけど、バランスよく纏まっていて何というか適度にいい作品といった感じ。例えるなら確かに抹茶というか落ち着いた造りだが。というか、ベースがよすぎるせいであまり語ることがないというのもなんだけど。個人的にはつくもが好み2019/06/24
シュエパイ
23
道具を大事に愛する少年たちと、人に寄り添うつくも神たちのお話。辛く悲しい目に遭ってきた彼女が、お守りに救われてから少年の家で過ごすシーンがほっ凝りとした気分に浸れて良いのですよ。ぎゅっと服の裾をつかんだり、切るのは得意と一緒に料理したり、つくも神は餌付けされたりで、なんかこんな風に毎日過ごす未来が待ってそうで、とっても嬉しい感じなのです2013/11/30
しぇん
21
まっすぐな気持ちよい主人公と優しい登場人物達。派手さは無いけどこのような真っ直ぐなお話は大好きです。月野原さんが出会った不幸は結構洒落にならないレベルだったけど、幸せになった続きが是非読みたいです。つくももだけど、基本つくも神が可愛らしいのが良かったです。2013/11/30
まりも
21
不幸を周りに与える少女を救うために少年が相棒のつくも神と一緒に頑張る話。 王道であり少々古臭さもあるけど主人公が主人公らしくてすごく良いですね。不幸を撒き散らす体質から解放された後の月野原さんがとんでもなく可愛過ぎて悶え死ぬかと思いました。日常パートはうまいけど戦闘パートが下手くそで中盤以降のバトル要素が完全に浮いてたのが欠点か。あと月野原さんに告白したにも関わらずなんか変に鈍感なのにも違和感を覚えた。とりあえず次巻は月野原さんといちゃいちゃしてほしい2013/11/28
