内容説明
▼シリーズ「世界を読み解く一冊の本」(全10巻)、第七弾。
▼人類普遍のベストセラー、旧約聖書はいかにして生まれたのか。
旧約聖書の書物としての成立をたどり、テクストが描く「歴史世界」と激動の古代イスラエル史を対比させ、著者たちが「文字」のもつ信頼性を武器に、自らのアイデンティティを懸けて繰り広げた思想史上の〈戦い〉を考古学・聖書学の知見に基づき鮮やかに読み解く、刺激的な一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
乱読家 護る会支持!
4
旧約聖書のユダヤ人に対して不思議やなと思うのは、何度も何度もユダヤの神を裏切って神の罰を受ける事です。 天地創造の絶対神に選ばれた民族ならば、その絶対的優位性を他の民族、他の国に対して示せるはずなのに、なぜか背教してしまいます。 やはりそこは、神の民なのにそれに見合った運命になっていないユダヤ民族に対して、なんらかの宗教的な理由を求めたことから「原因は背教」との定義化に至ったのでしょうね。 宗教上の後付けの論理が必要に成ったのでしょう。2022/03/09
ikeikeikea
4
「〈戦い〉の書物」とのタイトルであるが、ここでの“戦い”とは、旧約聖書上に見られる異なる思想を、思想上の“戦い”として解説した著作。 そこで紹介されるのは「神のアイデンティティ」と「結婚」等の、一貫した思想が読み取れずに、複数の執筆者の思想の違いが露骨に現れている事柄である。 大変面白いが、旧約聖書について知りたいから、まずはこの一冊といった人には向かないと思われる。創世記を読んで神の名称は何でこんなにも豊富なのか?と感想を抱いた人向けと言える。2021/01/10
Oltmk
3
旧約聖書自体がアンソロジー的な書物であると説き構成している章一つ一つにおける編纂の過程での思想上の相克を浮かび上がらせてくれる専門書。考古学などの学問を駆使して聖書における神が複数の呼び名を持つ事や、何故モーセの子孫は聖書に出てないのかなどの疑問に答えてくれる書籍でそれら自体が古代イスラエルの歴史における思想上の相克の産物だと説明し読み物としても大変面白かった。2021/03/28
takao
1
ふむ2025/07/17
KATSUOBUSHIMUSHI
1
ヘブライ語聖書に含まれるテクスト間の矛盾にあえて着目し、それを思想同士の「戦い」として読んでいく本。ヘブライ語聖書を他の考古学的資料や筆者の想像で補完しながら、これらのテクストが書かれた時代の生活や信仰形態を生き生きと描いている。特に「戦い」に注目することで当時の社会の動向を想像することができるという見方はヘブライ語聖書をとても面白い読み物にしてくれると思いました。2023/02/09
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