内容説明
知っていますか? 戦争で全てを失い、大きな犠牲を払いながらも戦火の中を駆け抜けて、帰国を果たした逞しい婦女子たちがいたことを。 パラオ戦時引揚者たちが南方の島から島を彷徨い、遭難と飢餓で犠牲者を出しながら進んだ、祖国までの570日、3000キロ。 過酷な少年期を奇跡的に生き残った著者が語る体験記である。
目次
第1章 激戦の島パラオ・アンガウル島
第2章 フィリピン・セブ島
第3章 死者続出のマニラ収容所
第4章 空襲とゲリラに怯えるルソン島の日々
第5章 台湾・高雄州の疎開生活
第6章 廃墟と化した祖国
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スー
19
102筆者はパラオのアンガウル島から疎開し父親は徴兵されて別れ母親と姉妹弟と共に両親の故郷の秋田を目指し570日をかけ3000キロを移動する。潜水艦が待ち伏せする危険な海峡を抜けるが途中で雷撃を受けたり空襲を受け奇跡的に助かりフィリピンではゲリラが蔓延る地帯を通り抜け幸運にも台湾に辿り着き戦後に秋田に帰り着く。同級生の中にはパラオで家族を失いパラオの人に引き取られ戦後に再会したりジャグルで家族が全滅したり多くの一般人が戦闘に巻き込まれたり病や飢えで命を失った。敗戦後に台湾人から嫌がらせを受ける中で高砂族の2021/08/26