内容説明
人は、おのれの血にどこまで縛られるのか? 高名な日本画家の家系に生まれながら、ペットの肖像画家に身をやつす時島一雅は、かつてない犬種を開発中というブリーダーの男に出資を申し出る。血の呪縛に悩みながら血の操作に手を貸す矛盾。純白の支配する邪悪な世界への憧憬。制御不能の感情が、一雅を窮地へと追い込んでいく――。ホラーサスペンスであり動物パニック小説であり芸術小説でもある、門井慶喜の意欲作! 『血統(ペディグリー)』を改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らむり
28
犬のブリーダーと聞いて、愛犬家殺人事件を勝手に想像してましたが、全くちがいました。。血をテーマにした狂犬病サスペンスです。2013/12/17
のじ
7
血筋の良い絵描きさんがあれこれ悩む話で思っていた感じとぜんぜんちがった。主人公が余裕のあるところで悩んでいる感じや、周囲への態度がそれはないやろ、という感じがしてあまり感情移入できませんでした。犬を育てていた場所は私の住んでるところに近いのでいろいろ想像した。富士山についての話は、ちょっと違うんじゃないかなと思いました。2018/03/18
きょん
7
才能は遺伝するのかと言う事と、アルビノの遺伝は全く別物だと思うんだけどな。一雅がぐるぐると悩んでる割に動いてなくて、モラトリアムかとげんなりした。後半の狂犬病パニックに揺れる家族や知人や社会をもっと描いてくれた方が面白かったかも。2014/03/31
orion
5
帯に「神の領域を犯す者、万死に値す」「純白のダルメシアンに仕掛けられた罠」って書いてあり、裏にはブリーディングがどうのこうのと書いてあったので、ワクワクしながら読んだのですが、読み終えるとダルメシアンが純白である必要性はどこにもなく、犬自体中盤から一切出てきません。最後の自演乙にはポカーンとしました。良家に生まれた落ちこぼれな方向けの本なのかな?2014/01/29
snow
4
ダルメシアンよりも狂犬病の方がメインで想像とちょっと違う感じがしました2014/01/24