内容説明
谷中・根津・千駄木。かつてこのまちを闊歩した二十五人の物語。お雇い外国人教師ベルツ、本妻と愛人を行き来したサトウハチロー、怪談と幽霊画の三遊亭円朝、昭和恐慌で没落したヂエモンとその一族……。地域雑誌を編集するなかで出会った、不思議な魅力あふれる人物たち。その路上の肖像を掘り起こす。
目次
エルウィン・ベルツの加賀屋敷十二番館
横山松三郎の池之端通天楼
池之端仲町二十七番地守田宝丹翁事跡
山口半六の東京音楽学校奏楽堂
駒込林町 悲運の久野久
木村熊二・鐙子の谷中初音町二丁目二番地
相馬愛蔵・黒光夫妻の駒込千駄木林町十八番地
岡田虎二郎と日暮里本行寺静座会
薮蕎麦発祥の地 団子坂の三輪伝次郎
河口慧海の根津宮永町雪山精舎〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
11
これも積ん読から。一体森まゆみさんだけであと何冊埋もれておるのか? 明治東京畸人伝、といふタイトルではあるが、やはり谷根千が中心。しかし、そのことが充実した内容を担保してゐる。何れも面白いけれども、渡辺治右衛門、サトウハチロー、福士幸次郎などの章が特に面白かつた。2018/06/21
石橋
3
著者のフィールドで暮らしていた無名有名の東京人伝。この人の本は地理を知らないと面白さ半減。そもそもハンデのある私でも渡辺治右衛門の話は凄く興味を惹かれた。その末裔が歌舞伎評論の渡辺保だったとは!もっと色々知りたくなった。2013/12/24
ザッハトルテ
0
谷根千て行ったことがないけど、今度行ってみようかな。でも地図を見ると迷路のようだし、さらに高低差があったりしたら方向音痴の私には無理かもしれない。2014/10/30