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内容説明
90年代末、そこにはまだアマゾンもiPodもグーグルもウィキペディアもなかった。それからたった10年。00年代に何かが大きく変わったことは間違いない。しかし、いったい何が変わったのか? 静かに進行した地殻変動の正体とは? 2002年の日韓ワールドカップ、2003年の涼宮ハルヒ、2004年の電車男、2007年のロスジェネ、2008年の秋葉原事件……、ホリイ博士がずんずん調べた! (講談社現代新書)
目次
序章 たどりついたらいつも晴天
第1章 00年代を僕らは呪いの言葉で迎えた
第2章 インターネットは「新しき善きもの」として降臨した
第3章 「少年の妄想」と「少女の性欲」
第4章 「若い男性の世間」が消えた
第5章 「いい子」がブラック企業を判定する
第6章 隠蔽された暴力のゆくえ
第7章 個が尊重され、美しく孤立する
終章 恐るべき分断を超えて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
107
そろそろ2000年代も歴史としてまとめられる時期が来たのだなと感じた。確かに2000年代は何の時代と言えばインターネットの時代かもしれないが、中々大きな変化は気づかないうちから変化していったなぁと思う。2013/10/30
どんぐり
52
「若者は個々にばらばらにされている。ばらばらにされた者たちにとって、ただ年齢が近いからというだけで、仲間だという意識は持てない。みんな、美しく孤立している」。この本は、いまの若者の世代の気分を伝える、そうかもしれないと思う程度の社会時評である。混迷をきわめている時代だからこそ、何を言っても核心をついているようでついていない言葉になる。美しく孤立しているというイメージが先行した言葉と同様に、「やさしさをまとった殲滅の時代」という書名も少々わかりにくい。殲滅は、「すっかり滅ぼすこと。皆殺しにすること」である。2014/07/07
山田太郎
36
なんかとっ散らかってるというのが第一印象。インターネットの普及がなんかいかんのじゃないかという気がしてきた。けっこう感心させられることも多かった。2014/03/03
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
27
『ずんずん調査』のホリイさんだ。昔『TVおじゃマンボウ』に出てたなぁ。カッコイイ題名は一瞬何の本かわかりづらいが、2000年代論である。今や懐かしい話題も多いが、たかだか十年前の事だったりする。オヤジの繰り言めいた部分が付き纏うのは否めないが、読むとやはり未来に対してちょっと不安になる。所々の分析には唸ったが、総じて賛成も反対もしなかった。しかし楽しく読んだ。なんだか不思議な味わいがした。2014/02/17
きいち
24
ある日の終電車。酔っ払って寝込んでしまってる若い男の子を、居合わせた同年代の男性と二人で起こしてやる。バタバタと降りてゆくその子を見送っての、男性のつぶやき、「礼くらい言ってけよ」。ずっと引っ掛かっていた。ええんちゃうん、僕らかて、そうやって上の世代に迷惑をかけてきたはず。◇「迷惑くらい、かけよう」それが、堀井の提案する殲滅への抵抗。「そして、その恩は、相手ではなく、下の世代へと返そう」。孤立を避け、つながっていくために書かれたさまざまな処方箋の中でもラディカルな、身近なところからの第一歩。有効と思った。2013/12/08