内容説明
漫画、映画、漫才、落語…さまざまなジャンルからの創造をわけへだてなく見つめつづけた思想家・鶴見俊輔は、現代日本における文化批評の先駆者だった。芸術と思想をめぐる重要な文章をよりすぐった鶴見コレクション最終巻。現場から未来をさぐる、しなやかな問いの軌跡。九〇歳を迎えての近業を併載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
14
内村鑑三『代表的日本人』1894年で、西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮(52頁)。 権力というものを信用せず、それを監視する視点(67頁)。 鞍馬天狗と自立や自由の問題は深い(94頁~)。 戦中のお守り言葉、言葉のお守り的使用法(131頁~)。 これは、戦後日本にとって、クリーンエネルギー、安全というお守り言葉が原発に乗っけられただろう。 そのお守りはきかないどころか、野積みされている。お守りから出てきた副産物を取り除くことすらできない。 お守りどころか、お荷物の原発。2014/03/09
Bartleby
12
著作集で読んで気にいっていた文章の一つ、「かるた」が文庫で手軽に読めるのが嬉しい。「認識」や「真理」といった言葉と、子どもの頃の記憶とが絵札と読み札のように組み合わされることで、抽象的な概念が柔らかさをもったものに変わるのを感じることが出来る。鶴見さんの記憶ひとつひとつに触発されて自分も子どもの頃のことを思い出す。その記憶をまとめて、自分なりの「かるた」を作ってみたくなる。2013/11/27
ネムル
10
漫画、漫才、映画に落書き。ことばと思考の生成する場。2018/12/30
amanon
3
純粋芸術よりむしろある種下世話的なものを好む嗜好性が垣間見られるのが、興味深かった。そうした体質がベ平連の活動にも通じるというのは、些か飛躍があり過ぎるか?それはともかくとして、なぜか妙に印象深かったのは、漫画家滝田ゆうについてのもの。滝田氏が最初長谷川町子に弟子入りしようとしたというのが、かなり驚き。それよりも響いたのが、常に母親を恐れ脅えながらも、どこかでしっかりと母親と繋がっている子供の姿を描いた『寺島町奇譚』。しかもその母親のモデルになったのは、作者の継母だったという事実にある種の重みを感じた。2014/04/22
よんどころ
0
鶴見俊輔コレクションも最終巻。気になったところに付箋を立てていったらたくさん立った。たとえば「戦争映画について」の「あとで、いいかげんに書きなおすことはゆるさないぞ」という言葉などなど。とてもよいシリーズだったなあ。2014/04/26
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