内容説明
抒情詩の可能性をひたむきに追い求め、豊かに紡ぎ続けて70年になんなんとする詩業の、全作品中から選びぬかれ、劇的に配列された41篇の恋の情景。かなわぬ恋、破れた恋の切なさ哀しさ、こんなにも苦しくて、こんなにも甘やかな「あのひと」への思いを鮮烈に歌いあげる。日本語という美(うるわ)しき言霊(ことだま)の幸(さきわ)いを、この一冊に込めて。
目次
名
その名でいっぱい
おしえてあげる
聞かれてしまった
千度呼べば
北風がつよく吹く日のうた
花壇
ballad
Chanson
ひといろ足りない虹のように〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masa@レビューお休み中
106
絵や写真や映像が、ふと脳裏をかすむ。繊細で、かつ幻想的な言葉の数々は、五感を刺激する。今まで味わったことのない新川和江の世界は、僕にとって瑞々しい以外の何ものでもなかった。その瑞々しさは、女性がもつ繊細さであり、大胆さであり、乙女心や残酷さといったものも含んでいる。顔はいくつもある。それは、相手によって変わるかもしれない。気分によっても変わるかもしれない。時には、想定外の化学反応を起こすこともあるだろう。恋には絶対はないのだ。だから、絵本のような世界にもなるし、昼ドラのような世界になることもあるのだ。2014/01/14
紫羊
20
いわゆる文学少女みたいなことをしていた頃、立原道造や新川和江の詩を偏愛した。もっとメジャーだった中原中也には何故かあまり心惹かれなくて、とにかく道造命だった。新川和江は、何かの雑誌で見た作者近影が、ぽってりした和服のおばさんだったので、甘やかな作品とのギャップに、人生の奥深さを感じたりもした。今回、瑞々しい作品を通して、昔の自分と再会できたような気がする。2014/10/21
ぼんくら
17
詩の本は苦手なのであまり読まないが、表紙に魅かれて手にした。とてもすてきな恋の詩。軽やかで、ひそやかで、あまやかで、切なくて・・・。何やら懐かしい恋の数々。2014/02/12
かち
7
あでやかな印象もあるけどしっとりとした表紙に魅かれて手に取りました 中原淳一さんの「美しく生きる」を思い出しますね。朗読は是非 岸恵子さんで。2013/11/12
遠い日
3
一生懸命恋をしていた頃を思い出します。はっとするほど艶かしいフレーズに、こうやってわたしは女になってきたんだなと感じたり、心がはち切れんばかりの恋しさに会える時間を切々と待ったり、そんな昔を思い出しました。2022/06/09
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