内容説明
十九世紀半ば、ゴールド・ラッシュに沸くアメリカに、周囲の男たちから浮いた優雅な身なりの青年が。金鉱を見物に来たフランス人のシオンは、帰国する船賃稼ぎ中のジョン万次郎と出会い、日本への興味を深める。数年後、シオンはオランダ人と偽って開国目前の長崎へ。美しい顔立ちと行動力を武器に、幕府の大物たちに接近し、ついには――。歴史の隙間に“もしも”を巧みにちりばめた傑作長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Norico
25
清水義範さんは、一斉を風靡したパスティーシュ小説のイメージが強かったのですが、幕末小説。勝海舟に坂本龍馬、近藤勇にジョン万次郎もでてきます。途中までは、史実に沿ってたのが、あれあれ?いつの間にか、日本大好きフランス人のシオンくんが、流れを変えていきます。まさか天皇の心まで動かすとは、どれだけイケメンなんだ!見てみたいー!こういう近代国家のはじまりをむかえたら、もっと江戸時代の風情を受け継いだ日本になったのかしら。でもやっぱり新しいもの好きの日本人は、自ら西洋化してきそうですが。2015/05/23
ウィズ
25
歴史にifはないけれど、歴史物が好きな人は、ifを一人空想しつつにやにやした経験があると思います。これはプロの作家が書いたifの物語です。最後の大円団が事実だったらどんなによかったかと思いため息がでました。2013/10/10
ううち
9
歴史物なのに読みやすいです。さすがです。史実は詳しくないのですか、後半からそうきたか!とニヤニヤしちゃいました。表紙のイラストはシオンくんかな。こんな人見たら、自分も考えを変えてしまうなー。2014/02/10
かしまさ
7
俺の知ってる日本史と違う...と途中から思いながら読み進めました。ただその展開が「んなわけないやろー」というものではなくあり得たかも知れないから楽しい。歴史にifはないですが、後になってからこういうifを考えるのは楽しい。2016/01/10
よねよね
7
一人の親日派のフランス人が幕末の日本に来たら・・・。こんな日本の夜明けがあったかもしれないというくらいのリアリティー。この作品では俺が好きな坂本さんも土方さんもちょい役です。だってそれ以上にシオンが有能すぎる!顔よくて頭よくて勇気あってなら相当やん(笑)武力なしの改革。彼だからできたことかもしれません。後半からかなり逆転な幕末史でした。副題は「龍馬がいく」ならぬ『シオンがいく』ですね(笑)2014/03/18
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