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内容説明
幼くして孤児となり,親類に疎まれ寄宿学校に入れられたジェイン.十八歳の冬,自由と自立を志して旅立つ――家庭教師として雇われた森深い邸で待つ新しい運命.自らの信念と感情に従って考え行動するジェインの率直で饒舌な語りは,今なお読者を魅きつけてやまない.ブロンテ姉妹のひとりシャーロット(1816-55)の代表作.新訳.(全2冊)
目次
目 次
第1章
第2章
第3章
第4章
第5章
第6章
第7章
第8章
第9章
第10章
第11章
第12章
第13章
第14章
第15章
第16章
第17章
第18章
第19章
第20章
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
420
薄幸の少女時代からローウッドを経て、ソーンフィールドへ。今では18歳になったジェイン。これまでは環境が環境であっただけに男性と知り合う機会は全くなかった。そこに現れたのがロチェスターである。物語はどうやら恋愛文学の様相を呈してきたのだが、ヒロインであるはずのジェインは容貌に恵まれてはいないし、相手役のロチェスターもまた通常の意味では美丈夫からは遠いようだ。本書が通俗的な恋愛文学に堕することがない理由の一端がここにある。小説の刊行は1847年なのだが、この時期にすでにシャーロット・ブロンテは覚醒していた。2022/02/17
こーた
253
恵まれない境遇のうら若き乙女が、成長し、奮闘し、やがて恋に落ちて自らの運命を切り拓いていく。まるで少女漫画や朝ドラみたいに。いやちがう、逆だ。朝ドラが『ジェイン・エア』みたい、なんだ。とはいえ当のジェインは昨今のヒロインのようにドタバタしてはおらず、思慮深くて、男性に頼ることなく自立し、主人だろうが先生だろうが、自らの意見ははっきり物申す。神や制度への懐疑、ついに現れた運命のひとロチェスター、彼と屋敷に潜む秘密。些細な事件が積み重なって、謎は深まり飽きさせない。単なる恋愛小説にあらず、だ。いざ下巻へ。2021/05/17
ちゃちゃ
122
高校時代に夢中になって読んだ、我が青春の書。幼くして両親を亡くし孤児となったジェイン。義理の伯母に引き取られるが愛情とは無縁の不遇な生活。その後寄宿学校で8年間を過ごし教員として働くが満足しない。「自由がほしい、どうしてもほしい」切なる内面の声に突き動かされ家庭教師として自立の道を歩み始める。そして、ロチェスターとの運命的な出会い…。意志が強く自尊心を持ち自分を活かす道をひたむきに求めるジェイン。そのまっすぐで誠実な生き様に、あの頃の私は憧れ魅力を感じたのだろう。さぁロチェスターとの恋の行方は…。下巻へ。2023/02/21
mariya926
114
10年ぶりの再読です。文学的には素晴らしいのかもしれませんが、あまりにも細かい写生が中弛みを感じさせました。何度か寝落ちしてしまったのも、私の過失ではないと思います。ジェイン·エアの幼い時から、学校生活、そして家庭教師&恋愛描かれていますが、続きが気になるって所で終わってしまいました。恋愛は両思いなのに、なぜあそこまでもどろかしいのでしょう?続きを読みます。2022/11/12
buchipanda3
100
19世紀半ば、ヴィクトリア朝時代に描かれた小説。当時の風潮の中、自分の気持ちに正直に気骨のある言動を見せるジェインが魅力的に映し出されていた。幼少時は環境から愛情を拗らせるが、ヘレンやテンプル先生との出会いが彼女を成長させる。特にヘレンとの短い付き合いながらも絆の深さを思わせるあの場面が印象深かった。職を得た彼女は一本気で行動的な一面に落ち着いた心も持つようになる。ロチェスターとの会話に妙味を感じると共に一途な想いを自覚する様子が微笑ましい。物語は謎の人物や過去の匂わせで先が気になって仕方がない。下巻へ。2024/05/22