内容説明
日本は、長いあいだ「資源小国」を自認してきた。だが、状況は変わりつつある。それは、現在の石油埋蔵量1位の国がベネズエラであることからも見て取れるだろう。中東ではなく南米の国がもっとも石油を埋蔵している事実は、これまで取り出せなかった石油が取り出せるようになったことを示している。すべては技術の進歩。探査から採掘まで、資源開発の技術が格段に進化したのである。本書は、こうした技術が日本にも影響を与えている様子を記していく。これまで探し出せなかった海底深くに眠る石油を探せるようになり、島国日本は国をあげてのプロジェクトをいくつも進めているのだ。それは、石油だけでなく、天然ガス、そしてメタンハイドレートなどにも及ぶ。果たして、日本は資源大国になれるのか。
目次
序章 エネルギーと国家戦略には密接な関係がある
第1章 日本が描く国産エネルギーの夢―海底油田とメタンハイドレートの開発が進む理由
第2章 世界で拡大するエネルギー資源の供給地―中東の現実、アフリカの沸騰、そして未来の産油国
第3章 多様化するエネルギー資源―シェールガス革命から広がった新エネルギーたち
第4章 日本はエネルギー資源国になれるのか―日本の可能性は純国産と準国産にあり
第5章 化石燃料革命時代の世界地図―エネルギー資源新時代とこれからの世界情勢
付録 石油無機成因説による国産資源論―ケロジェン根源説以外の「石油」の成り立ち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yambeee
1
メタンハイドレートの課題は、ガスの分解技術と運搬インフラ、あとはそもそも天然ガスの用途が限られていること。ガスで車は動かない。2015/10/21
Great Eagle
1
この本の内容はとても面白かった。日本には資源開発の歴史や企業が少なく、知識も不足しているので、とても参考になった本です。これらの情報が日本には少なさすぎるし、海洋石油開発や石炭開発に天然ガス開発などのコストとかももう少し知らないと、原子力発電の議論もできゃしないって!アメリカや中国はこの種の情報には精通していますから、もう少し一般の日本人も知見を広げるべきですね。2014/02/25
Soyong
0
メタンハイドレートのみならず、シェールガスや石油などの化石燃料の世界事情について広く学べる一冊。ブラジルを代表する南米やナイジェリアを代表するアフリカにおける化石燃料の開発は勉強になった。エネルギー戦略は、国家戦略である。国民の理解も必要である。2014/02/05
kaku-t
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採算ペースにあうように日本も頑張って欲しい.2013/12/17
kumonosuke
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メタンハイドレードの開発による資源大国化までにはもう少し時間が掛かる感じがする。2013/11/13