さようなら、オレンジ

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さようなら、オレンジ

  • 著者名:岩城けい
  • 価格 ¥1,265(本体¥1,150)
  • 筑摩書房(2013/12発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480804488

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内容説明

オーストラリアの田舎町に流れてきたアフリカ難民サリマは、夫に逃げられ、精肉作業場で働きつつ二人の息子を育てている。母語の読み書きすらままならない彼女は、職業訓練学校で英語を学びはじめる。そこには、自分の夢をなかばあきらめ夫について渡豪した日本人女性「ハリネズミ」との出会いが待っていた。第29回太宰治賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

716
2014年本屋大賞第4位。 オーストラリアで生きる アフリカ難民サリマと 日本人「ハリネズミ」の 生きざまを描く。 異国の地で働く女性たちへ の応援歌とでも言うべきな のだろうか。 「言語」が持つ意味を 改めて考えさせる…妙に オレンジ色を感じる…そんな展開だった。2015/05/10

風眠

457
私が私であるために、譲れないもの、揺るがないものがどうしてもあるように、困難な状況だからこそ、磨かれていくものがある事を信じようと思えた。アフリカ難民のサリマと、夫の仕事のため移住したハリネズミ。英語を話せないことに厳しいオーストラリアを舞台に、非母国語を必死に習得しようとし、「壊れた英語」と言われながらも、理不尽で過酷な現実に立ち向かっていく二人の凛とした姿が美しい。たどたどしいからこそ胸を打つサリマの作文には、素朴だけれど心に訴えかける強さと引力がある。オレンジ色が、夢見るように美しく心に広がる物語。2014/07/01

修一郎

348
さようなら,オレンジという題名は希望に満ちた言葉でした。力強く生きて行くんだというメッセージがまっすぐ伝わる,とてもいい本でした。難民問題や言葉習得の難しさ,なんて論じようとしたら,わけ知り顔の評論になっちゃう。でも,ここでは物語として,クラスメートの奮闘ぶりを淡々と描き表現しています。文章は飾り気なし,むしろ生硬,なのに成長するサリマの情熱,応援する人達の暖かさはしっかり伝わってます。まだ差別の残る異国で居場所を獲得していく力強さを感じることができました。手紙を挿入する形式の是非についてはここではパス。2014/05/22

なゆ

338
オレンジに輝くおひさま。明日も生きて、おひさまに会えることだけを願ってきたサリマ。難民として異国の地にたどりつき、偏見や言葉の壁と格闘し、子供を育てひたすらに生きる姿に圧倒される。ひとり涙を流しながらも前を向き続ける、その力強さに。サリマの作文のように、飾り気ないしゴツゴツしてるのに心に響くのだ。英語を学ぶ教室で一緒の、アジア人の〝ハリネズミ〟や、イタリア人の〝オリーブ〟達との、印象や関わりの変化。言葉、母語というもの。サリマの話に並行してもうひとつ手紙形式で綴られる話も、最後におおっと思わされる。2014/01/20

かおり

328
読んでからしばらく経ったけど、ぼんやりとしか覚えてない。印象が薄いわけではないけど、不思議な感覚だった。自分らしく自信もって生きればいいのに。それが難しかったりもするんだけど。。2014/10/26

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