内容説明
日本で初めてデニッシュペストリーを作って販売、画期的な発酵冷凍技術を開発してその特許を惜しげもなく開放、被爆建物を買い取っての店舗化、日本初のセルフサービス方式の導入、「100年農場」の創設……。この国のパン食生活文化の普及と変革に尽力してきた先駆的なベーカリーの軌跡を辿り、創業以来の志の芯を描き出す。
目次
プロローグ 「思いを継承する場」の点景
第1章 22歳の「おダンゴ屋のおばちゃん」―「タカキのパン」開業前夜
第2章 創業の同志―俊介と彬子の初志と情熱
第3章 原点との邂逅―デニッシュペストリーと広島アンデルセン
第4章 価値あるベーカリーへの第一歩―青山アンデルセン開店とその時代
第5章 ライフスタイルを追いもとめて―商品を売る前に生活を売る
第6章 先駆けであり続けるために―彬子が心血を注いだプロジェクト
第7章 「パン屋」として誇りを―彬子の教育哲学
第8章 商売への思い―企業の存在意義と役割は何か
第9章 百年後のための回帰―「100年農場」が担うもの
エピローグ 良心と商い
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みなみ
16
広島発祥のパン屋、アンデルセンについてまとめられたノンフィクション。パンを売るだけでなく、パン文化の普及のためにカルチャースクールを開いたり、社員の教育に力を入れたり、長期的な目線で会社を動かしていることがよく分かる。エピローグでの高木彬子の言葉が印象的。「良心とはひとりひとりが「のれん」に恥じない商いをするということです。そして、良心があれば、決められたことを決められた通りにやるのではなくて、良心に照らして自分の判断で行動できるはずなのです。」2019/09/01
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
6
誌友さん(この言葉、初めて使った)のツイート、もとい、つぶやきからたどりついた本。知らないことばっかりだったので、へぇ〜の連続だったのだけど、どうにも拭いきれない違和感。その正体はですね、アンデルセンを大きくした立役者は彬子夫人であった、ということを思っていても表立って言えないことにあるのではないかと。創業者である夫と、支えてきた妻、双方の志向には確かに相容れないものがあり、それがぶつかりあい、折り合いをつけながらの発展であっただろうけど、妻の功績のほうが大きかったのではないか→2017/06/03
Uzundk
5
今思えば私のパンへのこだわりを育ててくれたのはアンデルセンだった。もっとも食べる方に、だが。今ちょっとでも街に出れば焼きたてのパン食べられることに日々幸せを感じている。地元にも美味しい店がいっぱい出来ている。これらパンが日常に組み込まれることを願って人生をかけた人達がいて、その恩恵を受けていることに感謝をしたい。広島2Fのデリカでは一部のメニューでパン食べ放題になるのでよく利用する、ほんとにあの焼きたてが美味しいんだ。2015/12/03
Sean
3
特許公開の戦略性の点から、知財のケースともなるアンデルセン。 志を大事にしたと言う彬子氏の視点中心の記述。しんどい道を歩けば他者と競争することはなくなり、自分たちの志をそのまま客へ問うことができると言うもの。情のあるリーダーでした。2017/11/15
夏野菜
3
広島のタカキベーカリーの創業者夫婦の物語。食卓にパンを届けようとする思いがひしひしと伝わってきた。(良書だが返却期限が来てしまったため、P60でいったん読了)2016/08/06
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