内容説明
量子論から超ひも理論まで、ファンタスティックな先端理論に多宇宙は欠かせない。「この宇宙は別の宇宙が投影されたホログラフである」と主張する理論まであるのだ。これらの多宇宙といった、いまだ実験による検証がなくとも数学的に確固たる裏付けのあるものは、もう現実のリアルな、物理学的対象と見ていいのかもしれない……多宇宙の謎と魅力を多面的に語り、最先端理論をあなたやわたしの腑に落ちる言葉で綴る傑作科学解説
目次
第7章 科学と多宇宙―推論、説明、予測
第8章 量子測定の多世界―量子多宇宙
第9章 ブラックホールとホログラム―ホログラフィック多宇宙
第10章 宇宙とコンピューターと数学の実在性―シミュレーション多宇宙と究極の多宇宙
第11章 探究の限界―多宇宙と未来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
inami
28
★3 「多宇宙理論」の多さに驚かされる。それ以前に「多宇宙・・」ですか?と突っ込みたいところですが(笑)。しかし、現在の宇宙の成り立ちなどを考えると、他にたくさんの宇宙があっても不思議ではないと思えてくる。様々なバージョンの並行宇宙の多宇宙案は、「パッチワークキルト」、「インフレーション」、「ブレーン」、「サイクリック」、「ランドスケープ」、「量子」、「ホログラフィック」、「シミュレーション」、そして「究極の多宇宙」。さてさて、マルチバースの最先端の研究の行き着く先は・・?2024/12/11
ばんだねいっぺい
24
エブエブを思い出しながらの読書。仮説段階であるため、多宇宙にもいろんなバリエーションがあるのが、楽しい。いずれにしても、道具だ。最強の計算機が必要だ。2023/06/07
Fondsaule
16
★★★★★ 上巻の表紙は人工的な新しい宇宙が創造されるところのイメージ図。下巻の表紙は余剰空間次元の説明の図。それぞれの説明文は上下逆の巻の中にある。両方とも概念の説明としてとてもイメージし易い魅力的な図だ。 多元宇宙は理論として自然に行き着く先であるにも関わらず、存在していても観測することが不可能であるという。今までは、理論が先行して現象が観測され、理論が検証できるという世界でそれを積み重ねてきた。でもこれからはいくら正しい理論でも、それが証明できない世界に入って行く。2018/05/07
にしがき
12
👍👍👍👍 下巻は量子多宇宙、ホログラフィック多宇宙、それにシミュレーション多宇宙と究極の多宇宙。/最後の2つは本書で初めて知ったものだが、"数学の実在性"と章の名前にある通り、物理学の極地の先にある数学というか、以前読んだ『神は数学者か?』を再読したい気持ち。脳への刺激が心地よい。/量子多宇宙はシュレディンガー方程式を巡る多宇宙。こちらは『実在とは何か』を再読したくなる。/ホログラフィック多宇宙の理解を深めるためにも(といっても、さわりしか分からないけど)、他の本の解説も読みたい。2024/02/11
シタン
11
これまでの科学部課題本の中でベスト。下巻では科学論に入りつつSFっぽさを増し、量子多宇宙(多世界解釈)、ホログラフィック多宇宙、シミュレーション多宇宙、究極の多宇宙へ。結果として、この本では9つの多宇宙について触れられたことになる。二重スリット実験やシミュレーション仮説、エントロピーの話題はいろんな本でおなじみ(スピリチュアルなトンデモ説明も多い)と思うが著者独自の説明が光っている。ホログラフィック原理の話は貴重な気がする。 わかりやすさのために正確性は犠牲にしていると推察するが、その潔さを評価したい。2025/02/16
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