内容説明
ひょんなことがきっかけで、不動産会社役員から新規就農することになった著者。そこで見たのは、消費者のことなど一考もしない、保護漬けになり向上心を失った、生産の場だった…。農地法、農業委員会、村社会(兼業農家)など、コメを「ダメにした」存在を暴くと同時に、コメ再生の手段を探ります。学者ではなく、世襲の農家でもなく、「世間を知った新規就農者」だからこそ語れる゛聖域゛コメの正体がここに明らかになります!
目次
序章 新規就農に2年、就農したらもっと大変!
第1章 まともに作るほどバカを見る農業の実態
第2章 農業政策を転換しないととんでもないことになる!
第3章 “売れる”農家にならなければ生き残れない
第4章 私たちはTPPに賛成です!!
第5章 日本農業の道しるべ―明日への打開策
第6章 惑わされないための「コメ用語」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
27
著者は、不動産会社から命令を受け、サラリーマンから稲作に乗り出す。現代の米産業に対する批判が鋭い。新規就農者の観点から稲作を見つめており、大変参考になった。しかし、常識=企業論理、非常識=農協、兼業農業となっており、企業の利潤をひたすら求める害悪をわかってないように感じた。土地、特に農地というのは、長い歴史を通じて、所有に敏感な緊張が張っているということは理解した方が良いと思った。もっと兼業農家と新規就農者、若者と腹を割って話すべきと感じた。2016/12/08
1.3manen
15
農業をやらせるために大学に行かせたんじゃない!(14頁) 私も親には、大学院は反対されたが、案の定、反対した理由が失われた30代、格差の犠牲者となったことで実感している。非正規をやらせるために大学院に行かせたんじゃない! である。耕作放棄地への危機感から就農されたようだ(19-20頁)。中山間集落の多数派としての高齢農業者からすれば、彼の動きは異常に見えたのだろう。農地法は会社の人からすれば著者と同様、悪評のようだ(48頁~)。生産額自給率66%(55頁)。’12年カロリーBで39%。TPP賛成とのこと。2013/08/12
mushoku2006
4
これは拾い物でした。 難を言えば、ちょっとページ数が少なすぎる。 著者のやられている越後ファーム以外の他の従業員の方々の声とか、 もっと中身を充実させる方法があったのでは? それはともかく、過保護に守られ、その既得権を当然視しているコメ農家、 特に、その大半を占める兼業農家や農協などの実態が良く分かります。私も実家や親戚の大半がその兼業農家ですから、どんな人達なのか?ある程度は知っています。早くTPPでコメの関税なんかゼロにして、ああいう輩のぬるま湯体質を打ち砕いて欲しいものです。2013/08/12
お父さんはぷー太郎
4
主食のコメにいかに興味を持っていなかったかを感じさせられました。 政治家の問題でもあると思うが税金で収入が補填される農家って楽でいい。努力を重ねても淘汰された町工場や労働環境や待遇が一向に上向かない介護士や保育士の方々がかわいそう。税金が兼業農家の娯楽に消えてると思うと・・・ 次は農家の視線から書かれた本を読まないといけないな。2013/07/25
shin1ro
3
「産地ではなく、作り手がブランドになる」ことを目指す越後ファームさん。「TPP賛成」の立場を明らかにしているのも、品質に対する並々ならぬ自信と、日本の米作農業を憂う使命感からでせう。毎日の食卓にのる安全で美味しいしいお米を守る(維持・確保する)ことも大切なら、ビジネスとしての米作を成功させることも大切。「栽培法が一緒(のコメ)でも誠実なものもあれば不誠実なものもある」中、消費者が正しい振る舞いをしなければ、不誠実な生産者は不誠実で居続けるのかも知れません。最近農業関連ビジネスに身を投じた新社長必読の書か⁈2018/06/25




