出版社内容情報
LAの若き青年探偵?IQ?は、音楽界の大物が命を狙われている事件に挑むが……。ミステリ賞を多数受賞した、鮮烈なデビュー作
ジョー・イデ[イデ ジョー]
著・文・その他
熊谷 千寿[クマガイ チトシ]
翻訳
内容説明
ロサンゼルスに住む黒人青年アイゼイアは“IQ”と呼ばれる探偵だ。ある事情から大金が必要になった彼は腐れ縁の相棒の口利きで大物ラッパーから仕事を請け負うことに。だがそれは「謎の巨犬を使う殺し屋を探し出せ」という異様なものだった!奇妙な事件の謎を全力で追うIQ。そんな彼が探偵として生きる契機となった凄絶な過去とは―。新たなる“シャーロック・ホームズ”の誕生と活躍を描く、新人賞三冠受賞作!
著者等紹介
イデ,ジョー[イデ,ジョー] [Ide,Joe]
日系アメリカ人。ロサンゼルスのサウスセントラル地区出身。政治学者のフランシス・フクヤマは従兄にあたる。様々な職業を経て、『IQ』で小説家としてデビューし、2017年アンソニー賞、マカヴィティ賞、シェイマス賞の最優秀新人賞を次々に受賞。さらにはアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀新人賞および英国推理作家協会(CWA)賞最優秀新人賞にもノミネートされるなど高い評価を得た。サンタモニカ在住
熊谷千寿[クマガイチトシ]
1968年生、東京外国語大学外国語学部英米語学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
502
【原書】またまたカッコいいヒーローがロスより誕生。主人公は過去を背負いまくりのアイゼア・クインターベ(IQ)。物静かな彼はその頭脳を活かして、相棒ダッドソンとともに事件を解決していく。’05年と’13年、ふたつの出来事を行ったり来たりする手法を持って、読者はアイゼアと人となりに寄り添うこととなる。小気味よい歯切れのいい文章で、読者を惹きつけていく。ミステリというよりも、アイゼアのキャラクターと、ロスの街小説か。音楽業界を舞台にしたのもロスという街を思えば納得。続編も出ているらしいので、もちろん追う。2019/06/10
遥かなる想い
184
2019年このミス海外第3位。 新たなるシャロック・ホームズの誕生と 言われる 黒人青年探偵アイゼリアの 物語である。アイゼリアとドッドソンの コンビも 小気味好い。謎の犬が関係する 事件は まるで 「バスカヴィル家の犬」 の ようなのだが…ひどく ロス的な 現代版 ホームズの探偵物語だった。2018/12/28
紅はこべ
179
この主人公が現代のホームズなら、ドッドソンがワトソン?探偵の推理が的中するのを口惜しがるワトソンも珍しいが。ゴリアテがバスカヴィルの犬?カートの正体が意外。ドッドソンがいないと、アイゼイアが探偵業で収入を得るのは難しいのかな。マーガレット・チョーって、『私はラブリーガル』でヒロインの秘書役をしていた人だよね。そんなすごいスターだったのか。ラッパーでドラッグをやっていない人っていないの?2019/04/16
ケイ
168
すでに続編読むのが待ちきれない。そのタイトルも、表紙も、とても目をひくから、見掛け倒しかも?とも思っていたが、いらぬ杞憂だった。LAが舞台のクライムノヴェル。IQも友人達も ほぼ黒人。作家の名前のイデは、フランス語の「idée」から来てるのかなと思ったら、日本語なんだ! 日系の作家がこんな話を書くんだ!しかも50代後半のデビュー作でのこのハードボイルド感。そこに孤独や切なさが寄り添っている。なんと言っても、マーカスの存在が一番。おすすめ。2019/05/22
stobe1904
119
【クールな青年探偵IQ誕生:ミステリが読みたい4位】日系人作家による、黒人青年を主人公にしたミステリ。高校をドロップアウトしたが地頭の良さで食いつなぐクールなIQとラップを愛する麻薬売人のドットソンがコンビとなりラップスターの殺人未遂事件解決に挑む。とはいえミステリー色はあまり強くなく、少年から1人の男として成長するIQを描く側面が強い。ドットソンと一緒に強盗もやるが、頼まれれば人助けもするといったよくわからないキャラのIQだが、続編も出版されているようなので、またIQに会いたい。★★★★☆2018/11/23