内容説明
信長によって小谷城が攻められ、浅井家は滅ぼされた。長政の庶子である喜十郎は京に逃げ落ち、疵医師の田代瑞石に預けられる。お家再興を目指す喜十郎に、織田の捕り手が迫る! 瑞石は、京を出て羽柴の軍勢に医師として加わった。瑞石の弟子として身分を隠す喜十郎だが、その正体に気づかれ……。医師としての修行に耐えながら、喜十郎は宿願を果たせるのか!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
45
面白かったです。信長により滅ぼされた亜在家復興に乗り出すはずが、何故か変態医師の弟子になったのが笑えます。戦国時代をゆるく描いているので、戦国好きとしては少しだけ足りなかったです。2022/06/12
Yukihiro Nishino
10
浅井長政の子が、医師の弟子となりながらも浅井家再興を目指す物語。長政が残した浅井家の最期の時がきたら空けよとの印籠の秘密や長政の想い、タイトルにもなった「おくうたま」の意味などが最後に明かされる。よくできた作品で大変おもしろかった。2016/11/24
みどらった
3
小谷城落城前夜、2人の少年が京都の医師の元に駆け込む。 一人は長政の子、もう一人は重臣の子。二人は医者の弟子として潜伏し、浅野家再興の機会をうかがうのだが。。浅野家再興の二人にハラハラもしたが、当時の疵(きず)手当のすさまじい様が印象に残った。2017/01/08
キウ
3
織田信長に攻め滅ぼされた浅井長政の庶子・喜十郎は十二歳。小谷城落城前に抜け出し、家臣の子・弥次郎とともに疵医師・瑞石に預けられる。瑞石の弟子として医術を学びながら御家再興を夢見るが、織田側の執拗な残党狩りに逃げ回る展開。歴史の大きな流れに翻弄される少年の成長を描く。喜十郎も瑞石も架空の人物だろうけれど、ラストの落としどころへ向けての流れがとても自然に描かれている。戦場での従軍医療なども生々しく、瑞石のキャラクターもユニーク。歴史の軋みの中で何度も夢から突き落とされる喜十郎の、最後に到達する心境が清々しい。2013/08/15
tako_machida
2
浅井長政庶子喜十郎による浅井家再興への道を探る物語。ほぼ創作なんでしょうが、こんな話があったかもと思わせる快作!2018/07/25