内容説明
ハーバード大学の日本史講座で人気を博した新鋭が、世界へと開かれた新しい日本史像を模索するべく、旅に出た! 長い歴史を誇るイギリス、ケンブリッジ大学に研究拠点を移し、アムステルダム、ボン、パリ、ウィーン、ミラノへ……。旅と追想の中で、若い感性がたぐり寄せたものとは──。閃きと予感に溢れた清新なエッセイ。
目次
1 水の街アムステルダム(はじめての旅 マルチカルチュアリズム ヴィジョン)
2 時の街ボン(異国で日本を語る フリーマン・ダイソンとの出会い 生きている歴史)
3 光の街パリ(歴史のプリズム 命とインプレッション それぞれのプリズム)
4 音の街ウィーン(現在を生き、未来を生きる時間 失われた命を語る 歴史をシェアする)
5 匠の街ミラノ(「現代のWe」 戦後を生きる)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yori
6
★★★★☆ 北川さんの本を読んでいると、やはり感性の豊かさに驚く。でいてとても素直、真っすぐ、という印象。今までの歩みの回想録のような内容。日本の歴史に私も大人になって興味が湧いている。日本人ってどんな人達だったんだろう、、、何を思っていたのだろう。私はどうして歴史を知りたいのだろう。教科書の内容だけでない、何か。もうちょっと掘り下げてみたいと思う。2014/06/20
nizimasu
6
旅に出る。そして世界から日本について思索を深める。ハーバードで「レディサムライ」という日本史の講義を持っている研究者のエッセイ。フランスやオースストリア、オランダなどの都市を巡りながら、その原点のカナダでの留学生活、さらには「マルチカルチュラル」な社会のありように思いを馳せる。そして、震災を通じて見える日本の戦後まで、話はかなり脈絡がないが、それを本人の研究生活と意見がおりなしとても詩的な構成だ。難しくない文章に、まさに知性を感じる。この人自身がとてもマルチカルチュアルなバランスの良さも魅力だ2013/07/12
ぼのまり
5
ハーバード大学で日本史の講師をされていた方のエッセイ。オランダ、ドイツ、フランス、オーストリア、イタリアへの旅行と、自身の留学経験から海外での大学生活、ハーバードでの教鞭経験などを追想する。ひとり旅は自身を振り返るうえで重要なのかもしれないと感じさせてくれる1冊でした。2013/08/19
Christena
2
海外からみた日本の歴史というテーマで書いたエッセイ。思った内容と違った。日本の歴史のことを全然知らないので読んでみたけど、テーマについての考察ではなく、日本史を勉強する海外の人々や、海外で日本史を勉強してきた自分の歴史にスポットが当たっているように思った。それはそれで興味深いのだけれど、期待とちがっていて、ちょっと不完全燃焼な読後感。2013/09/20
BluePlanet
2
2013年6月30日発行。「ハーバード白熱日本史教室」で一躍有名になった著者の3冊目の本。ハーバードで教鞭をとった後、現在英国ケンブリッジ・ニーダム研究所に異動した著者が、ヨーロッパで訪れたアムステルダム、ボン、ウィーン、パリ、ミラノを旅して得られた気づきを、過去のカナダでの大学時代やハーバード時代のことを織り込みながら綴るエッセイ。「ハーバード白熱日本史教室」の裏話や、カナダの大学留学時代のこれまでに記載されていなかった著者のプライベートな話も。若くして活躍する著者・・・益々著者のファンになったかな。2013/08/13