内容説明
あの戦争で子供たちは何を見て、生き抜いていったのか。角野栄子、児玉清、舘野泉、辻村寿三郎、梁石日、福原義春、山田洋次、中村メイコ、倉本聰、五木寛之が語る戦時中の思い出、そしてその後の人生軌跡。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
385
戦前、その日―昭和20年8月15日、そして戦後の混乱期。角野栄子さんを筆頭に辻村寿三郎氏や倉本聰氏等10人の人たちに聞いた証言集。彼らは等しく学童疎開の世代だ。あんな時代にあっても、実に様々な体験がそこにあったことは意外だった。それだけ彼らが子ども時代から個性的であったことの証であるのかも知れないが。実に貴重な証言集だと思う。間もなく、それを語る人たちがいなくなってしまうからだ。梯久美子のインタビュアーとしての手腕もなかなかのもの。そして、へんに悲壮感に駆られた語りがないこともまた特筆すべきことだ。 2019/07/26
KAZOO
101
このシリーズの三冊目です。戦争当事、子供あるいは大人になる直前の人々が感じたことをインタビューされています。全員で10人の著名人で児玉清、舘野泉、福原義春、中村メイコ、山田洋二、倉本聡、五木寛之さんなどです。ただ時間が過ぎてしかも有名人になってからのインタビューとそのときに感じたことが同じであるという気はあまりしないのですが、2冊くらいにしてもっとじっくりと聞いてかかれたほうがより当人たちの心の奥底あるいは深いところが聞けたのではないかと思います。2015/08/31
かおりんご
54
このシリーズ3冊目。今度は子供たちが見た戦争。子供たちは、やっぱり周りの大人や教育に左右されるんだと感じました。だからこそ、教育って大事なんですね。もっとわかりやすくまとめられて、簡単な漢字を使っていたら、高学年くらいからでもわかるのに・・・青い鳥文庫あたりで再編してくれないかな?日本人として、伝えていかなければいけない歴史です。2014/12/14
馨
17
どの方のお話も、まだこんなに小さい子供が、親元を離れて疎開して社会で生きていく術を学んでいったり、恐ろしいソ連軍と出会ったりしていて読んでいて怖かったし残酷な時代によくぞここまで生きて自分たちの「戦争」を戦ってくれたなぁ・・と感じました。2013/07/27
フム
16
筆者の『原民喜』がこのところ読んだ本の中でもずば抜けて響いたので、他の著作も読みたいと思って図書館で借りた。太平洋戦争の中、子どもたちはどんな風に生きていたのか、何を思っていたのか知りたいと思った。自己へと目が向く年頃以前だからか、子どもというのは周りの大人をよく見ているものだと思った。戦争の時代を父や母がどのように生きたか、どんなに精一杯家族を守ろうとしていたか…子どもたちはしっかり見ていた。中でも中村メイコさんの父親のエピソードには感動した。周りの作家達が戦争に協力して行く中で筆を折った。2018/09/20