内容説明
今や貿易交渉は現代の「侵略戦争」であり、超大国が主導する自由貿易協定は世界を縛る「究極の法」となる。『TPP亡国論』の著者が諸外国の事例、歴史的事実、最新の論文などを改めて検証。米国が扇動する自由化・グローバル化の虚妄をあぶりだした最終警告書。
目次
序章 これが「自由貿易協定」の正体だ―オーストラリアの悲劇
第1章 「自由貿易は好ましい」は本当か?―主流派経済学の狂信
第2章 「自由貿易帝国主義」が世界を分断した―近代経済史の虚実
第3章 「通貨とルール」の支配が最大の武器―戦後貿易交渉の暴走
第4章 全てアメリカのシナリオ通り―日本の構造改革と米韓FTA
第5章 「日本的なもの」はなぜ壊されるのか―その精神性と固定観念
第6章 貿易協定に国家は屈服する―「レジーム」という新たな秩序
第7章 グローバル化からインターナショナル化へ―世界経済の展望
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
calaf
14
結局、TPPをはじめとする自由貿易協定というのは、世界中の人間の多様性を減少させる政策という事になるのでしょうか。多様性の減少は、絶滅の危機を増大させる可能性があるのはあちこちで言われているところ。うむむ...2013/07/22
ムカルナス
9
各国の通商政策の歴史を紐解きながら自由貿易は強国が弱小国から搾取してきたスタイルであり現代のNAFTAやTPPも米のグローバル企業を利するだけのものであると警鐘を鳴らす。非常に判りやすく勉強になる本だったが、筆者がTPPは米の言いなりになり国益を損ねるだけと決め付け断固反対する姿勢には違和感がある。米国を利するだけの不公平なものにさせないため、行き過ぎたグローバル化を是正するためにも日本はTPPで戦うべきではないのか?参加しなければ日本抜きで決まった物事にやがて振り回されるだけではないだろうか?2017/07/31
rymuka
5
グローバル化の推進主体が何をしてきたか。またこれから何をするだろうか。それをその歴史から解き明かす光明の本! ~http://rymuka.blog136.fc2.com/blog-entry-38.html2014/08/13
Aby
4
自由貿易推進国が,比較劣位の貿易相手国に配慮したことがあったっけ?…という本.序章の「国家の殺し方:オーストラリアがアメリカと結んだ破滅的な貿易協定」を読んでみたいところ.Amazonで探すか.2013/07/11
クニ
4
外交下手の日本が国益を第一義にTPPの交渉で百戦錬磨の アメリカと渡り合っていけるのか? かなり疑問です・・・ 2013/07/08