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内容説明
シュメール人が発明した文字は貸借記録の必要に迫られたものだった。ルネサンス期に生まれた銀行・保険業と大航海時代は自由な金融市場をもたらし、国家間の戦争は株式・債券の基を創った。そして今日、進化したはずの国際市場では相変らずデフレ・インフレ・バブルが繰り返される……人間の営みとしての「金融」を通史として俯瞰する試み。
目次
金利も銀行もお金より先にあった
貨幣の幻想
アリストテレスの考え方
中世の宗教と金融
大航海時代
東インド会社と取引所
国債と保険の始まり
ミシシッピ会社と南海会社
アムステルダムからロンドンへ
イギリスからアメリカへ
戦争と恐慌と大戦前後の日本の金融市場
戦後からニクソン・ショックまで
日本のバブル形成まで
投資理論野展開
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
104
今度、金融論について人前で少ししゃべらなければならないことになり、昔読んだ金融論の本などを書棚の奥から引き出してきています。理論的なことよりも興味を持たせるのが主題なので、このような本を少し読んでみました。世界の歴史的な観点から金融とのかかわりあいのある事件などをピックアップされているのでわかりやすい気がしました。エコノミスト連載の記事もあるようです。2015/12/11
Tαkαo Sαito
43
ずっと前から積んでた本です。高校時代世界史が大好きでしたが、金融の知識がほとんどなかったため読むのに非常に苦労しました...本で分からなかったところを大学の友人(金融ゼミ)にいろいろ聞いてきました笑。友達に多謝です。それでも世界史を切り口に金融の歴史を学べたのは勉強になりました!友達いわく、金融はほぼすべてのものの始まりに絡んでいるから奥(闇)が深い(笑)と言ってました。とにかく自分には難しかったので半分理解できたかどうかです、、社会人になってしばらくしてもう一度読み直したいと思います(出直してきます笑)2015/02/02
Miyoshi Hirotaka
27
ファイナンスに金融という訳語を与えたのは明治期。仏教の融通無碍にイメージされるように金の貸し借りがスムーズに行われている社会システムをさす。金の流れを阻害することは、時として強欲と言われた。『ベニスの商人』の時代には、一獲千金を狙って投資するのが当然で、事業リスクは貿易仕向地の多角化でヘッジした。その時代に元本を確実に回収し、高い利息を取る融資は、大量の換金物を凍結させ、社会全体の流動性を低下させることに他ならなかった。アントニオをベンチャー企業、シャイロックを銀行と読替えると中世金融物語のように読める。2019/04/22
はるわか
27
金融取引は貨幣ができる前からあった。ローマ法の財産権が資本主義の根幹。東インド会社は株式会社の起源。株式市場は有限責任を基礎に鉄道とともに発展。金融市場(債券や株式)は戦争とともに投資家の裾野を広げた。大恐慌の経験が様々な規制を生んだ。ハイパーインフレはすべての金融資産をダメにする。バブルには制度上のメカニズムがあった。バブルの前にはNTT株のような大衆化がある。投資の世界に科学が入ってきた。2017/06/22
エリナ松岡
21
それ程ページ数があるわけではないのに、かなりぎっしり内容が詰まっていたように感じます。皆さんのレビューに僕も同感で、この著者は話を面白く伝えるのが得意なんだなと思います。丁度世間を賑わせている仮想通貨の未来的な仕組みやそれとは別の投機的な状態も、この本に書かれている流れの延長でしかないような気もするし、金融を理解するために金融史を知るというのは非常に有効ではないかと… まぁ歴史から学ぶなんて当たり前のことですけどこの本でそれを実感しました。 2018/02/03