内容説明
三日月・十六夜・立待月・寝待月…満ち欠けする月の形に、これほど呼び名を付けた民族は他に例をみない。近年では小惑星探査機「はやぶさ」の成功も記憶に新しい。そんな日本人と宇宙の関係、そして現代の天文学者たちが切り拓く、新しい宇宙像を楽しく紹介する一冊。往古の日本人の宇宙観と先端研究者たちの最新実績、文化と科学の両面から語ることで日本の天文学の未来が見えてくる!
目次
1 月・日・星そして宇宙と日本人(「愛でる月」から「探査する月」へ 母なる太陽の異変を探る 我ら星の子―恒星をめぐる物語 生命のすむ惑星を探して 太陽系の小さな仲間たち―小惑星と彗星 宇宙誕生の謎に迫る)
2 日本人と宇宙の関わりの歴史(日本人の宇宙観―飛鳥人から江戸っ子まで 日本の近代天文学の誕生 現代天文学から未来の天文学へ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あむぴの
21
日本人と宇宙という、おもしろそうな組み合わせにひかれて読んでみた。星や月に関する和歌や俳句を紹介していた。日本人ならではの宇宙観の捉え方の遍歴にも、なるほどなと。宇宙全般の知識も豊富に描かれていた。現代での大望遠鏡の取り組みも知ることができた。2013年5月、朝日新書。2018/06/12
びっぐすとん
14
108円本。日本人と宇宙の繋がりを学問の歴史だけでなく文学の面からも紹介。研究者や施設の紹介もあり、人脈が繋がってるのがわかる。天文学は全地球的な学問で多国籍で研究することも多いため、研究者はあまり日本人ということを意識しない(金銭的な面は別)ようだ。地球も人間も望遠鏡も(恐らく宇宙人も)全てが宇宙の全質量のたった4%の物質で出来ているとなれば、そこに拘るのは無意味なのかもしれないが、キリスト教のような唯一神的宗教観が希薄な日本人は系外惑星や地球外生命の分野に抵抗がないという点で今後の活躍が楽しみだ。2019/12/08
C
3
ACIDMANー大木さんのコメントがあるというので読んだ。宇宙…特に星についての説明が多いけれど難しいお勉強部分はなく、宇宙の面白さが知れた。タイトルの、宇宙の研究と発見に貢献した日本人と、日常の私たちの心にあることを星と共に歌う日本人や、それの下敷きになっている日本の歴史と文化など様々な事も分かりやすく書いてある。(既に宇宙に詳しい人にはあまり向かないのかもしれない。)宇宙に無知な私はとてもおもしろく読めたし、お目当ての「ALMA」がまとめのように扱われていて何だか嬉しかった。2013/10/22
もか*
2
難しいんだろうなって思っていたけど、読みやすくてすんなり頭の中に入ってきた。宇宙は、やっぱり果てしない。2014/08/10
ぴーまん
2
日本人と宇宙は古くからのおつきあいで、日本人独特の感性で接していたことが分かる一冊。夏目漱石のI love youの訳し方(ロマンチック)からも星に願いを込めていたことが分かる。素粒子から宇宙までが輪廻で繋がっていて、どこが起源なのか、またこれからの技術で宇宙のどこまで解明されるのか、楽しみになる宇宙論はじめの一冊としてオススメだと思った。ACIDMANのALMA遥かなる宇宙に何を望むのか、それが全てだと思った。2014/05/15