- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
定年になり仕事を失い、無気力になってしまう。妻を亡くして孤独になり喪失感に悩む。体が思うように動かなくなりひきこもりがちになる。六〇歳を過ぎてからこういった事態に直面し、うつ病を発症させる人が増えている。しかもその初期症状は頭痛だったり、身体の不調だったり、めまいだったり、一見してうつ病とはわかりにくい、本書ではそういった高齢者のうつ病発症のきっかけ、原因、特徴をエピソードを交えながら解説する。また、大病院を偏重する日本医療において高齢者はどのように扱われるか、その先に見える問題点まで掘り下げていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
7
うつ病は,大きなイベントが起こった時に発病しやすい.そして,年をとるということは,そのイベントの発生率を高めることに繋がってしまう.発病してもそれが初期であれば治癒しやすいが,その症状をうつ病であると判断することはなかなか難しい.2013/05/14
KEI
5
あまり新鮮味の感じられる内容ではなかった。しかし、うつ病や高齢者の心理についてわかりやすく丁寧に解説されており、よい復習になった。本書で何度も繰り返している通り、高齢期のうつに陥るエピソードとして”喪失体験”が重要であることがよく理解できた。確かに若い時は得るものばかりであるが、退職、生きがい、配偶者、、など高齢期には様々な物を失う体験をするのだなあ。そのことは、いち医療者として患者さんと接する時に心得ておくべきことだし、自分の人生設計を考えていく上でも重要なことだと感じた。2018/11/21
chiro
2
高齢者の問題は他人事ではない… じっくり読んで、高齢者がいろいろな環境変化をきっかけにうつ病を発症しやすいこと、解決はなかなか難しいことが理解できた。初期の認知症と老人性うつ病はとても似ている、というのは頭に留めておこう。2021/05/14
あゆっこ
2
医師側の「患者話を聞かない」という問題点を指摘しているのが印象的。病後うつも多いことがわかった。2021/04/02
くらーく
2
90~92ぺージが参考になったなあ。定年に係わらず、会社を辞めた後、何もすることが無いなあ、と思っていた自分。上記ページの記述がドはまり。それでなくても、仕事で抑うつ状態になった自分としては、このままでは高齢者うつ病になりかねないな。うーん、会社に行きたくないが、うつ病にはなりたくないし。でも、会社でうつ病になったら、会社を辞めた方が良いのだろうし。そうすると、治ったあとやることが無くて、高齢者うつ病になる。。。結局、会社にいても辞めても、やる事が無い高齢者はうつ病になりそうって事か。。。2019/11/16