内容説明
全国から反響続々の経済事件ノンフィクション。
電子版発刊にあたり、書き下ろしの<特別章>、郷原信郎弁護士との<巻末対談
>を新たに収録!!
*佐藤真言氏は6月30日に最高裁で上告が棄却され、懲役2年4ヵ月が確定。
「私は刑務所に入ることなどしていない! 」
“粉飾詐欺で懲役2年4ヵ月―最高裁で争う元銀行員が明かす、この国の検察、
裁判所の矛盾。
粉飾決算に手を染めざるをえない中小企業の現実に、真正面から踏み込んだ問題
作。
郷原信郎弁護士推薦! !
今まさに上告審を争う厳しい状況の中で、一人の市民が実体験を基に書き下ろし
た、経済事件ノンフィクション。取調室における特捜検事との会話からは、粉飾
決算に手を染めざるをえない日本の中小企業の実態と、事件を組み立てる検察の
“独善的な論理とのズレがありありと浮かび上がる。
目次
第1章 疑われたコンサルタント(検事との攻防 ガサ入れ ほか)
第2章 銀行員時代(さらばメガバンク 北の大地で ほか)
第3章 中小企業の社長を支えて(野戦病院の中へ 財務部長との確執 ほか)
第4章 逮捕(エス・オーインクへの捜査拡大 石塚健司との出会い ほか)
第5章 奪われた日常(保釈されて 執行猶予が当然 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Miyoshi Hirotaka
29
銀行からの評価を上げるために決算の見栄えをよくする粉飾もあるが、節税のために決算を実態より悪く見せる粉飾もある。一流の会計事務所を顧問とする大会社でも行われる。つまり、粉飾は規模の大小、動機の善悪を問わず発生する企業の原罪のようなもの。だからこそ、罪以上の善でそれを贖うべきだし、コンプライアンスが重要になる。一方、教科書的なイデオロギーで債務超過の会社は即淘汰されるべきというのであれば、再建の芽が摘まれ、さらには失敗者に冷酷な社会になる。角を矯めて牛を殺すようなもの。法的正義の濫用にも自制が求められる。2016/01/16
luther0801
18
▼理由はどうあれ、「どこも粉飾してる」は言い過ぎの感。▼私もメガバンク勤務を経て、いまは中小企業の経理を預っている。銀行時代にも、粉飾決算は少なからず見た。いまの会社は一切粉飾はしてないし、経理担当者なら、普段から銀行へ情報を開示し、銀行との信頼関係を築くことが肝要。▼資金繰に詰まることは、経営者ならもっと前に気付くはず。その時、まず、現金支出を抑える、資産を売る、など、やるべきことは有るはず。▼金が無い→粉飾やむなし→だから私は悪くない、という、筆者の安易な論法には違和感を覚える。この奥さまは偉い。2013/11/28
KAZOO
14
元メガバンク銀行員の手記です。中小企業のほとんどは粉飾をしています。言い過ぎかもしれませんが、黒字が出る会社は、家族への人件費を増やして利益が出ないように、法人税と社長や家族の所得税合計とどちらが多いかをはかりにかけて対応しています。赤字の会社はできるだけ赤字を少なくする粉飾を行います。銀行への虚偽説明だけでは、逮捕されません。特捜が捜査をしていた会社グループと関係があり、目を付けられたのだと思います。一罰百戒ですよね。今度事務次官になった村木さんの事件も同じだと思います。検察に目をつけられたら駄目ですね2013/06/18
月をみるもの
10
東芝とかオリンパスとかでかい企業は粉飾だろうが偽装だろうがやりたい放題なのになあ。。。2018/10/06
ふぇるけん
10
元銀行員で中小企業の経営コンサルタントをしていた著者が、ある日突然東京地検特捜部に狙われる羽目に。一度特捜に狙われたものの恐怖というものは経験した人でなければわからないが、相当な心理的負担があったことだろう。特に利益供与を受けたわけでもない著者が実刑判決とは、検察よりの視点で考えたとしても納得できない。やはり日本の司法のあり方に疑問を抱かざるを得ないというのが正直な感想。さらに、この一連の事件から中小企業の粉飾→融資リスクを取らない銀行→銀行の経営を規制する金融庁という日本の構造問題も浮き彫りに。。。2015/01/08
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