内容説明
奥州鎮定の水軍を筑紫に移す命令が下る。朝鮮半島侵攻を狙う唐が、いよいよ百済に矛先を向けたのだ。総力戦を前に、朝廷を分断する謀略が蠢く中、古代最大の海戦の火蓋が切って落とされる! 古代史長編小説。
感想・レビュー
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future4227
15
唐では則天武后が絶対的権力を握り、まるで西太后のよう。こわっ!大和朝廷内では、額田王、菟野皇女(後の持統天皇)が大海人皇子をめぐって嫉妬心むき出しのガチバトル。二人ともわがまま過ぎ!そして北九州、朝倉宮への遷都。いやー、九州に遷都してたなんて知らなかった。額田王の有名な「熟田津に~」の歌はその時の歌だって。上巻では阿倍比羅夫率いる水軍が満を持して朝鮮半島に乗り込む。唐の水軍も出動。いよいよ下巻で白村江の戦い!楽しみ!2016/01/08
TheWho
7
記紀や古代文献から古代日本を紐解く「古代からの伝言」シリーズ第五巻「水漬くかばね 」の時代の後半を描き、また著者前巻の「青雲の大和」の続編になる上下巻の歴史絵巻。上巻は、大化の改新を経ていよいよ朝鮮半島を狙う唐が、高句麗のみならず新羅を先兵に百済に触手を伸ばし、改新後の日本を震撼させる。物語は、硬柔様々な戦略で日本の安全保障を探る遣唐留学生だった面々や改新政府の要人の苦悩が、古代日本最大の危機であった事を語っている。和平工作が破れいよいよ下巻で白村江に展開する下巻が楽しみです。2015/03/21
おぎにゃん
5
大和3部作完結編。聖徳太子の「中央集権国家大和」成立の夢は、大化改新を経て、ついに成し遂げられた。そんな「若き国家大和」に大唐帝国の魔の手が忍び寄る。大和独立維持のため、権謀術数の限りを尽くす中大兄皇子と中臣鎌足。二人の手足として、力の限りを尽くす人々…正面からぶつかって勝てる相手ではない「世界帝国」に、如何に立ち向かうのか?ピンと張り詰めた緊張感が凄まじい…読んでいてワクワクする。さぁ、役者は揃った!いざ、下巻へ。2014/02/11
あにき
2
奈良を舞台にした歴史小説を読みたくなり購入。テストでお馴染みの白村江の戦いが描かれる。故に当時の日本人にとって全世界ともいえる東アジアを舞台にワールドワイドなスケールで話が展開する。2013/07/13
とっぽ
0
大化の改新後の時代を描いております。白村江の戦いの前夜にあたりますが、中大兄皇子、大海皇子、額田姫王等々の人々やその他の人達が色々な動きをしております。古代日本の小説はあまり読んでませんが面白いですね。2013/04/09