内容説明
自閉症とアスペルガー症候群、さらには障害と非障害の間の垣根をも取り払い、従来の発達障害の概念を覆す「自閉症スペクトラム」の考え方が注目されています。10人に1人が抱える「生きづらさ」の原因を解明し、療育、支援のあり方まで、多角的に解説します。
目次
第1章 あなたも「自閉症スペクトラム」かもしれない!?(「自閉症スペクトラム」を知っていますか? 「広汎性発達障害」から「自閉症スペクトラム」へ ほか)
第2章 特徴から理解する自閉症スペクトラム(共通する特徴1:臨機応変な対人関係が苦手 共通する特徴2:「こだわり」が強い ほか)
第3章 線引きが難しい自閉症スペクトラムの境界線(障害か?それとも個性か? 自閉症スペクトラムは、どのくらいいるのか?)
第4章 自閉症スペクトラムの人をいかに支えるか(特有の発達スタイルに応じた支援 思春期より前の支援 ほか)
第5章 自分が自閉症スペクトラムかもしれないと思ったら…(しておくべきこと 自閉症スペクトラム障害の場合 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aster
75
精神分析や精神科というものは症状以前に人間(患者)を終始絶対的に個人そのものと看做して応対しているのだなと感じた。そもそも人口の10%もいるのなら障害というより種族─まさにその通り─と考えるべきだと。珍しいことじゃない。精神科医でなくても周りにそういった自閉症スペクトラムの人間がいるということは簡単に気づくのだろうと思う。事実自分の周りにもいる。障害を持っているということは名前の通りやはり社会的な生活の上で困難が生じるということだ、2020/05/18
さおり
73
自閉症スペクトラムについて書かれた本は山ほどあるけど、私が読んだ本の中ではこの本、かなり上位やと思います。何がって、まずわかりやすい。そして説得力がある。本田さんは本当に頭のいい方なんだろうなぁと思うのと共に、長く第一線で臨床に携わってきた人って、やっぱすごいわと思う。引用するには、引用したい箇所が多すぎて難しいので、読んでもらえたらいいなと思います、興味のある人には(本当は、興味のない方にも読んでほしいくらいだけど)。2016/07/12
ホークス
52
臨機応変な対人関係が苦手な(空気が読めない)自閉症スペクトラム障害。先天的な障害だが一見普通なため、日本では特に誤解され易い。国家から家庭まで、連帯の拠り所を空気に依存する国。空気は宗教以上に客観視しにくいため、依存の自覚が薄く、空気を共有出来ない者は怠惰・異質とされる。戒律の厳しい宗教国家さながらである。この災厄は人口の一割を占める「非障害者の自閉症スペクトラム」の人にも及び、繊細な「おもてなしの国」のダークサイドと言える。自己の文化を客観視するのは難しいが、日本こそ努力が必要だし、効果も大きいと思う2017/04/09
らむり
45
いいこと書いてあるなぁ。高校までに読んでればな。。2014/08/21
ころこ
42
自閉症の思考と発話行為に遠さがあり、発話が制御できないためチックが出やすいことに興味があります。確かにコミュニケーションは大切ですが、コミュニケーションをとらない寡黙なひとの場所も、以前はあったような気がします。何とかスペクトラムが増えていく反面で、普通の状態、普通のコミュニケーションという確固としたものが強化されている。コミュニケーションをとれる人が普通の人だ、という先入観があるから、自閉症には問題があるとなるのでしょう。読書が好きなひとには多いでしょう。そう生きるしか仕方が無いところに強さを感じます。2019/05/12
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