穢れと神国の中世

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穢れと神国の中世

  • 著者名:片岡耕平【著】
  • 価格 ¥1,705(本体¥1,550)
  • 講談社(2013/04発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062585484

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内容説明

東北から九州まで共通して見られる、死と出産を「穢」とみなす民俗習慣。その観念の起源をめぐる探究は九~十世紀に制定された『延喜式』に行き当たる。数多くの史料を、当時の息づかいがわかるように参照し、「穢」という不可思議な意識と社会秩序感覚が生み出された過程を明らかにする。挑戦的な歴史学の試み。(講談社選書メチエ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中年サラリーマン

13
穢れの起こりについて2つのテーマ。1つは人間に素朴にある共通のしきたりという仮説。もう一つはある特定の規範が全国へ行動様式として広がると言う説。著者は後者選択。問い自体は興味あるのだが行動様式の始まりと広がりということに対する議論自体が納得いかなかった。共通のしきたりという思いがないのならば人為的な何かが介在するべきだと思うがその議論が説得力がないように感じた。ケガレが円状に広がるということも、なぜそういう風でないといけないのかが結局尻切れトンボだった。問い自体は面白いので次回に期待。2014/02/05

林 一歩

12
この辺の文献欲す。2014/07/21

かんがく

10
穢れ概念とナショナリズムの萌芽について。史料の詳細な検討が多く、読むのに疲れた。延喜式から蒙古襲来までの長い期間を扱っており、じわじわと穢れと神国の意識が生まれていったことがわかった。2022/06/23

isfahan

8
何を穢れと判断するかということが想像以上に律令的官僚組織の中で運用・処理されていることが衝撃だった。この本だけを見ると日本は穢れを主要素とした律令的儀礼国家だったでは?という気がしてくる。延喜式による「穢れ」の国家による規定とその背景にある民間風俗という話は中国の「二十等爵制」の議論をちょっと想起。ナショナリズムの一つの萌芽として「穢れ」を位置づけるのは、ちょっと何ともいえないが、天皇の国家支配のあり方として全国の神社を媒介とした穢れを祓う儀礼があったということはなんとなく分かった気がする。2014/11/03

水菜

2
「穢れ」概念って現代でもいろいろ残ってるなあ…。葬式帰りには塩踏んだり、月経の話題は微妙にタブーだったりするし。「未知のもの」に対する権力者の反応もあんまし変わってないのかも?今は科学的に考えられるけど、それでも「初めて遭遇する事態」には以前からの対処法に固執するような気がする。あと<われわれ>意識と<他者>が同時的に発生したという説はなるほどーと思った。<あなた>と<わたし>と言い換えてもいいかな?それの複数形だな。いまだに差別感情が残ってることが虚しい。無理に全ての人を<われわれ>と感じることはないと2013/05/15

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