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内容説明
東北から九州まで共通して見られる、死と出産を「穢」とみなす民俗習慣。その観念の起源をめぐる探究は九~十世紀に制定された『延喜式』に行き当たる。数多くの史料を、当時の息づかいがわかるように参照し、「穢」という不可思議な意識と社会秩序感覚が生み出された過程を明らかにする。挑戦的な歴史学の試み。(講談社選書メチエ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
中年サラリーマン
14
穢れの起こりについて2つのテーマ。1つは人間に素朴にある共通のしきたりという仮説。もう一つはある特定の規範が全国へ行動様式として広がると言う説。著者は後者選択。問い自体は興味あるのだが行動様式の始まりと広がりということに対する議論自体が納得いかなかった。共通のしきたりという思いがないのならば人為的な何かが介在するべきだと思うがその議論が説得力がないように感じた。ケガレが円状に広がるということも、なぜそういう風でないといけないのかが結局尻切れトンボだった。問い自体は面白いので次回に期待。2014/02/05
Toska
12
日本文明の基層に深く食い込んでいる「穢れ」の観念と、近代ナショナリズムの雛形となった「神国」意識のルーツを並行して探り出す意欲作。朝廷が作り上げた祭祀制度が地方まで浸透していくプロセスと「穢れ」観の広まりを重ね合わせ、スケールの大きな議論が展開される。ただ、実証面が今ひとつ追いついていない印象。また大前提として、人の死や出産が穢れとされるそもそもの理由は説明されていない。その辺りは文化人類学の本でも読んどくれ、ということなのか。2026/05/29
林 一歩
12
この辺の文献欲す。2014/07/21
かんがく
11
穢れ概念とナショナリズムの萌芽について。史料の詳細な検討が多く、読むのに疲れた。延喜式から蒙古襲来までの長い期間を扱っており、じわじわと穢れと神国の意識が生まれていったことがわかった。2022/06/23
isfahan
9
何を穢れと判断するかということが想像以上に律令的官僚組織の中で運用・処理されていることが衝撃だった。この本だけを見ると日本は穢れを主要素とした律令的儀礼国家だったでは?という気がしてくる。延喜式による「穢れ」の国家による規定とその背景にある民間風俗という話は中国の「二十等爵制」の議論をちょっと想起。ナショナリズムの一つの萌芽として「穢れ」を位置づけるのは、ちょっと何ともいえないが、天皇の国家支配のあり方として全国の神社を媒介とした穢れを祓う儀礼があったということはなんとなく分かった気がする。2014/11/03
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