内容説明
深夜の自動車事故。犠牲者は、ヨットによる単独無寄港世界一周に成功し、一躍英雄となった内田洋一だった。遺体の毒物反応から、殺人事件と判明。警部補・十津川の前に次々と浮上しては消える容疑者たち……最後に真犯人と見込んだ人物には、鉄壁のアリバイがあった! 東京―タヒチ間のヨットレースを舞台に繰り広げられる雄大なトリックに、十津川が挑む!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
54
十津川警部の初登場はこの作品から。 自動車の事故で死んだ被害者が、ヨットによる単独世界一周を成し遂げた男だった。 その男を中心に、東京からタヒチへと続くヨットレースによって仕組まれた殺人計画。 犯人は特定はされるが、どのようにして殺害したのか。 アリバイを見つけるため、十津川警部をはじめ部下たちが日本を、そしてタヒチまで出向いて捜査を。 ラストには全容が明かされるが、何ともほろ苦い余韻を残すあたり。 十津川警部がその後シリーズになるのも分かる活躍ぶりでした。2023/07/26
セウテス
50
〔再読〕十津川警部がまだ警部補だった時代の、初長編初登場のしかも海洋ミステリーという記念的作品です。単独無寄港世界一周ヨット航海に成功した男が、数ヶ月後に殺害されます。捜査の結果犯人と思われる人物は絞られますが、彼には鉄壁のアリバイがありました。十津川警部補は、時間と距離のアリバイの謎に立ち向かいます。この頃は、松本清張氏の「火と汐」など国民の関心ある社会問題を題材の作品を、西村テイストに変えて描かれています。トリックにクリスティの作品を参考にしており、方向が定まる前の時期の氏の良作といえると思います。2015/01/21
ばりぼー
41
1973年刊行、十津川警部(補)の長編初登場作。お手軽な鉄道トラベルミステリーで有名な警部(補)ですが、元ヨット部のキャプテンで、デビュー当初は「消えたタンカー」「消えた乗組員」などの海洋サスペンスでも活躍してました。堀◯謙◯氏の太平洋単独横断成功をモチーフに、ヨットによる単独無寄港世界一周に成功した英雄の栄光と転落、東京ータヒチ間6000マイルレースの駆け引きなど、虚実を織り交ぜた緊迫の展開にぐいぐいと引き込まれました。タンカーと乗組員もどうやって消したのか全く覚えていないので、再読したくなりました。2014/05/29
朱雨
9
小説を読むのはこれが初めての十津川シリーズ。東京~タヒチが舞台ということで、世界地図も登場しスケール壮大。犯人の鉄壁のアリバイを崩そうとする、十津川警部補の執念は読みごたえがありました。しかし金や栄光を得た人間って、どうしてこうも傲慢になってしまうんでしょうかね…。2021/08/03
ソルト佐藤
9
前半は、ヨットマンの野望、黒い情念。また、企業戦士たちの思惑など、ミステリ以外の部分でとても面白く。後半は、次々に容疑者が殺されて、一人の容疑者の倒叙物みたいな感。それにしても我らが十津川警部(今回はまだ警部補)。最初の頃は、世界中を飛びまくるスケールのでかさ。見取り図に南半球まで含んだ世界地図を使うなんて普通のミステリーじゃないよ(笑 推理は論理的ではないものの、構築するたびに、それが破綻するのを繰り返し、一筋縄にいかないのが楽しい。2019/11/25
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