内容説明
160cm35kgの高校生・赤猪子は、シンガポール・マレーシアへの旅の途中で母親のもとを抜け出し、友人ゾーイーの海辺の別荘に身を寄せる。それは食べるたびにエネルギーとなり脂肪となって自分の中に蓄積していく、日々の食物から逃れるためだったのだが――。新潮新人賞を最年少受賞、芥川賞候補ともなった衝撃のデビュー作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あも
90
お、グロそう!とワクワクしたら、肉骨茶=バクテー(料理)か…。ファッション拒食症の中2女子が家族旅行から逃げ出しメル友の別荘に連れていってもらい、バクテーを食べさせられそうになる話。え、それ以上の要素を何も見つけられず、凪のような心と無表情を手に入れられる。これが無の境地か…。言いたいこと思いつかないのでwikiをコピペ。京都大学医学部に在籍中の2012年、「肉骨茶」で第44回新潮新人賞を受賞。20歳での受賞は新潮新人賞史上最年少である。受験勉強の合間に息抜きを兼ねて執筆された。へー、君ってすごいんだね!2018/09/20
なゆ
72
うーん、なんで読みたいと思ってたんだろう、“マレーシア”と“拒食症の女子高生”のキーワードが引っかかったんだっけ。でも、なんか思ってたのと全然違う、謎の気色悪い話だった(笑)。母親とのツアー旅行でいろいろ食べさせられるのがイヤで脱出計画を密かに実行するガリガリの赤猪子。かつて留学生で今も交流のあるゾーイーと、お抱え運転手アブドゥル、謎の男鉱一、そして振る舞われる肉骨茶。とりあえず気になったのは、食べ物を粗末にしちゃいけない。あと肉骨茶がおぞましげな食べ物としてインプットされちゃったじゃないのよ。2021/02/26
YM
70
装丁とタイトルから、グロい話かと思いきや、拒食症の女の子が、色んなものから逃げまくるブラックコメディー?特に摂食から。カロリー消費のために、空気イスしたり、スクワットする描写は笑っちゃう。ラストの10Pくらいはスローモーションで画がみえた。最後は妙なカタルシスも。まあ全編本当に妙なんです。テーマがテーマだけに、笑えない人もいると思う。でも作者は笑わせようとしてる気がした。そんな深いテーマを持たせようとはしてないような、でも深読みもできるような。動機や理由もほとんど書かれない。とりあえず肉骨茶食べてみたい!2014/11/21
藤月はな(灯れ松明の火)
50
身長160センチ、体重35キロという拒食症の赤猪子。家族とのアジアの満漢全席ツアーを抜け出し、留学生の友達の家にエスケイプするが痩せ過ぎを心配され、肉骨茶を振る舞われてしまうことに。無理にシュークリームなどの食べ物を口に押し込もうと薦められる食事描写以上に嫌悪感が奔ったのは食べ物をトイレに流したり、人に隠れて運動することで摂取カロリーを消費しようとする主人公。その因果関係や心理的描写もないのが薄気味悪さを倍増させているように感じました。しかも友人の留学生のお節介ぶりと視野狭窄ぶりもすごく、気持ち悪いです。2013/08/06
らむり
32
今年の芥川賞候補作。拒食症の女性の心情が表紙の色のような雰囲気で描かれてます。物語はそこそこ面白いですが、トイレに食べ物を流す場面は不快でした。2013/03/18