内容説明
東松島市の35人が語り始めたあの日の記録。
2010年小学館児童出版文化賞および、産経児童出版文化賞大賞受賞の写真家・大西暢夫氏による、被災者35人の震災の記録。宮城県東松島市の被災地で、あの惨禍の渦中、人々がどのように迷い、命をつないだのかということが明らかになってゆきます。1年以上にわたり、仮設住宅を拠点に敢行された丁寧な取材。被災者全員のポートレートや現場の写真、地図も、数多く交えます。
【ご注意】※レイアウトの関係で、お使いの端末によっては読みづらい場合がございます。タブレット端末、PCで閲覧することを推奨します。
目次
東松島市
東松島市長
鳴瀬川右岸
鳴瀬川左岸
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みーまりぽん
13
東日本大震災からおよそ1年後からの被災生存者たちへの聞き書き。東松島市、小野駅前地区応急仮設住宅にて。鳴瀬川右岸の野蒜地区、新町地区、東名地区そして左岸の浜市地区、牛網地区などの住民たちから3・11の被災前後の状況を聞き取って記録してあります。 逃げ遅れたがゆえに助かった、1Fで寝たきりだったけど助かった、避難したのに助からなかった、流されず助かったはずが濡れた寒さで亡くなった、・・・。 そういえば仕事中にこっちでも揺れたっけとか、画像観て「うあぁ..」って思っただけの人間に感想なんて書きやうがなひな..2021/10/23
ヒラP@ehon.gohon
13
判断と行動と運が生死を左右した突然変異。宮城県東松島市という定点で、無事だった方々の一言一言が重く感じられました。 出版されてから五年、今はどの様に暮らしておられるのでしょうか。 忘れてはいけない記録だと思います。2018/06/26
kiho
13
あの日の記憶を残す貴重な1冊☆語ってくれたのは3.11を直に体感した方達…よく詳細に語ってくれたと思う。その時どうしたか、何を思ったか…共通するのは周りの人を1人でも多く助けたかったということ。作者が撮影した写真が、悲しみと未だ戦いながらも前へ進もうとする皆さんの思いを宿している。2014/10/18
とよぽん
9
写真家大西暢夫さんが、東松島市の「3.11」を記録した本である。記憶にとどめ、後世に引き継いでいくために記録しなければ、という思いで、被災された方々に避難所や仮設住宅であの日の大震災、津波の話を涙とともに聞いたことが綴られている。写真はすべてモノクロで、何とも言いようのない痛みが伝わってくる。家族、地域のコミュニティー、ふるさと・・・かけがえのないものを一瞬で失った喪失感や自然の猛威、非情さを改めて感じた1冊だ。2016/09/10
魂の叫び
5
初めて借りました。この本が20ユーザーという数字なんて信じられないです。東松島市の被災地の被災者の記録。写真もたくさんあるフォトドキュメンタリーになっています。当時の全国ネットでは流れていないことが書かれています。野蒜小学校の悲劇もこの本で知りました。読んで泣いちゃいけないと思いつつ、何とも表現できない感情に包まれました。読んで下さいとしか言えません。テレビでは伝えきれていない真実が書かれていますから。2015/04/30