内容説明
文明が滅びた世界。ひとりの少女が立ち上がる…。
近未来。高度な文明は滅び、砂漠化した地球で、生き残った人間たちは原始的な生活を営んでいた。シルバーレイクという湖のほとりに生まれ、外の世界を知らずに育った少女サバ。18歳になったある日、突然謎の男たちがやってきて、双子の兄をさらい、父を殺して去っていった。連れ去られた兄を助けるために、サバは未知の世界へと旅立つが、砂漠を横断中に奴隷商人につかまってしまう…。仲間と出会い、命がけで試練を乗り越えていく姿を描いた、愛と勇気の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mayuri(Toli)
8
さらわれた双子の兄を助けに行く双子の妹の物語。 この、王道だけどちょっとひねったあらすじに心惹かれて、店頭で衝動買いしたのが本書です。 最初の導入部分は、サバがあんなに崇拝している兄のルーの良さとかわからないし、兄と違って、サバは妹のエミを嫌っているので、読んでいて殺伐としていて、おもしろさも疑うのですが、徐々にサバもエミも成長していき、二人の関係に変化が見られるあたりから、一気に面白くなります。個人的には、250ページ一気読みしました。少女たちの成長と交流が素敵な、女性らしいSFですね。2013/04/02
朝霧
6
サバの一人称の視点が多く、かぎかっこでくくられていない会話で少し遠くに感じる。でもだんだん引き込まれて行ってぐんぐん進む印象。読みにくいんじゃなくて遠い感覚ってのが楽しかった。2013/08/12
ううち
4
確かに最初は読みづらい感じもしますがすぐ慣れました。ルーも気になるのだけど、ジャックが気になります!ネロは賢いなぁ。はやく下巻読まなきゃ!2013/12/25
阿佐木 零
3
初めは読み辛いと感じるかもしれないけど、読み慣れると面白さがわかる本だと思う。2013/04/14
nightbird
3
ソフトバンク文庫から出てるけど、昨年のコスタ賞児童書部門受賞のYA作品。文明の滅んだ未来世界で、無慈悲な王の生贄としてさらわれた愛する双子の兄を取り戻すため戦う少女サバの冒険譚。新人作家のデビュー作のためかややストーリーの作りが甘いというか、「偶然出会った相手がたまたま物語のキーパーソンだった」みたいな展開がちょっと多い。ヒロインも途中からいきなり強くなりすぎでは。でもタフでハードボイルドなヒロインがわりと好きなタイプだし、話もテンポよく進むので、サクサク読めて楽しめる作品。下巻へ。2013/02/26