講談社文庫 フォークの先、希望の後 ＴＨＡＮＡＴＯＳ

著者名：汀こるもの【著】

講談社（2013/03発売）

• ISBN：9784062774246

内容説明

政治家の息子が飼う魚の世話で日給五万円、ただし飼い主の少年が現れると誰かが死ぬと噂あり。家庭の事情で高額バイトを探していた女子大生・彼方が屋敷へ向かうと理想の男性・高槻が目の前に…オクテな少女は恋に落ちた！だが戦慄の事件が続発。噂の少年“ｔｈａｎａｔｏｓ６６６”の呪いはやはり本物だった！？　彼方の恋と命の行方は？恋愛＆恐怖の“タナトス”最新刊。（講談社文庫）

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ヒロユキ]

内部からではなく外部からの視点で語られることで双子を取り巻く人物たちの異常性が物凄く分かりやすく描かれてる。それでも双子と刑事が一枚岩からほど遠いってのは意外だったな。それだけ登場人物の新たな一面がみれたってのがよかった。今回の事件で共同体となった飼育係。死神と機械人形、そしてあぶない刑事との奇妙な共犯関係から目が離せない。

2013/03/10

[hnzwd]

タナトスシリーズ第三段。時系列的には第一段、第二段の裏側でもこんな事件が起きていたと。。シリーズもの名探偵が揶揄されがちな事件への巻き込まれ体質を、死神体質という素晴らしい単語で表現した本シリーズ。周りで人が死ぬ事に慣れた、諦めた、といいながらも心を揺れ動かされ続ける双子と一人の保護者の物語は楽しいし、優しさすら感じます。続編以降も期待。

2013/03/13

[とも]

シリーズ三作め。視点が新しい登場人物だったので今までのキャラクターのイメージが変わっていくのが印象的でした。特に高槻さん…あのまま自滅するかとヒヤヒヤ。ご乱心の口論のあたり、それぞれのスタンスが見えて興味深かったです。個人的には自分を崩さないように保ちながら絶えず揺らいでいるような真樹に好感が持てます。結構ドロドロだったけど恋のフィルターのおかげで綺麗に終わった感じ。相変わらず蘊蓄は凄まじくて多分理解しきれてないけどひたすら感心。登場する魚を検索してるうちに実際に見たくなってきてどうしよう…。

2015/12/22

[＊mayu＊]

シリーズ3巻目なのだけど、時系列でいうと1から2巻の間を描いたもの。植物状態の父親、家の現実を何一つ見ようとしない家族の重圧がのし掛かる彼方は大金欲しさに人を殺す能力を持つ少年の家でアルバイトを始め…今回はミステリ要素は薄め。むしろ甘酸っぱい！Thanatos少年が居るので勿論人は死にますけどね…どうしちゃったんだ！！←そして今迄この物語の語り手を担っていた唯一の常識人の高槻さん、側からみたら狂っておった！ここ衝撃度高い。恋するミキちゃんの健気さとキャラクターたちの違った一面が見れたので満足。

2015/11/11

[ひろみ]

タナトスシリーズ三作目。今回は高槻さんではなく美大生の彼方視点。そのおかげで高槻さんの印象が変わる変わる。そしてミステリー要素はなくなり、サワヤカラブストーリーになってます…相変わらず読了後には心抉られてつらいしか言えなくなる……。今回の内容は肺魚とエヴァとスナーク狩り、だな。

2015/04/25