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内容説明
役者になって60年。
80歳を迎える仲代達矢がこれまでの作品を振り返る。
日本映画は昭和20年代から30年代は黄金時代。
ちょうどその頃、仲代達矢はデビューした。
俳優座養成所でのこと、小林正樹、岡本喜八、黒澤明ら名監督との出会い、高峰秀子、原節子、勝新太郎といった有名俳優との仕事などを回想する。
映画会社の専属にならない、当時としては珍しいフリーの立場を貫いた。
一年の半分を映画、もう半分を舞台ときっちりわけて仕事をしてきた俳優だからこそ、日本映画の盛衰を冷静に見ていた。
現在の映画界についても鋭く語る。
目次
序章 役者になるまで
第1章 俳優デビューと『人間の條件』
第2章 黒澤明との仕事―『用心棒』『椿三十郎』『天国と地獄』
第3章 京都の撮影所と時代劇―『炎上』『鍵』『股旅三人やくざ』『切腹』
第4章 仏の喜八との日々―『大菩薩峠』『殺人狂時代』『激動の昭和史沖縄決戦』
第5章 成瀬巳喜男、木下惠介と女優たち
第6章 前衛、左翼、俳優座
第7章 五社英雄と名優たちの情念―『御用金』『人斬り』『闇の狩人』『鬼龍院花子の生涯』
第8章 黒澤明と勝新太郎―『影武者』『乱』
第9章 小林正樹の挫折、映画界の黄昏―『上意討ち』『怪談』、幻の『敦煌』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もりくに
30
80歳を過ぎて主役を張れる、稀有の名優のロングインタビュー。聞き手は映画史に造詣の深い春日太一さん。仲代さんの俳優一代記でもあるが、日本映画史そのものでもある。映画デビューは、黒澤明の「七人の侍」の農民にスカウトされる浪人の役。(エキストラ)「何だ、その歩き方は!」と何回やってもNG。何百人の役者、スタッフを待たせること4時間!さすが、黒澤監督というか、今では考えられない時間のかけ方。のちに「用心棒」のオファーがあって、監督と会って、その時の屈辱を話すと、「そのことは覚えてる。だから、君を使うんだ。」と。2018/04/30
kinkin
24
日本映画黄金時代、とにかくすごいお金を使って作っていたらしい。今は映画といってもスケールの大きな映画らしい映画は少なくなっている。テレビドラマに毛が生えたものも多い。昔の映画が全て素晴らしいというわけではないが、当時の情熱は今よりもずっと勝っていたに違いない。2013/12/04
くさてる
16
題名通りのインタビュー本。これがそのまま昭和の日本映画一代記みたいな内容で、とても面白かった。昭和はすぐ近くの昔のように思えるけれど、ネットにもその記録は実はあまり残っていない昔で、ちゃんとその記憶を持ったひとはどんどん少なくなっていく。映画の話、仲代達矢という俳優の記録としてはもちろん、それを成立させた当時の世相の空気まで感じることが出来るような内容でとても興味深かった。日本映画だけでなく昭和の文化に興味があるひとにもおすすめです。2015/05/24
A.T
14
仲代さんが感じる、今の映画制作への不満は見る側のわたしにもそのまま感じられてくる。役者も監督も制作現場も効率化一辺倒で、創造性がない。そんなわけで、効率化されたチャチな映画には足が向かず、1960〜80年代の斜陽と言われ続けながらもジックリ制作された映画しか見なくなってしまった。 今は亡き黒澤明、小林正樹、五社英雄、岡本喜八。骨太の監督たちとの交流がたっぷり取材された本書は、また日本映画のカタログのようにも読め、読み応えある一冊です。2015/07/05
midnightbluesky
12
新書のキャパでは勿体ないぐらい貴重な話ばかり。新劇の俳優から見た映画界という視点が客観的で想像しやすい。2013/10/31
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