内容説明
ベストセラー『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』で全国に感動の輪をひろげた小説家・喜多川泰さん。
新境地に挑むべく書き下ろされた今回の新作は、小学生&中学生という子どもたちの世界と、その親世代の生き方をテーマにした力作。
ちょっとファンタジックな雰囲気を感じさせる内容に、思わず「ん?」と驚く読者がいるかもしれません。
おいべっさんとは何か?
不思議な母子はどこからやってきたのか?
驚きのエンディング!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
97
とにかく'学べる'喜多川さん作品です。本作は教育のお話。展開的には至ってオーソドックスで、間違いや過ちを見て見ぬふり、気づいてるのに知らないふりをする人々が、それぞれにきっかけをつかみ、見直していく流れ。思春期真っ只中の中学生の女の子「七海」の父「博史」はシングルファーザー。職業は小学校の教員で生徒との悪戦苦闘もさながら、モンスターペアレントとのやりとりがかなりシリアスです。中盤までは自分には理解し難い描写が続き、しんどかったですが中盤以降は北見さんならでは'学び'について描写され、ほっとして読了でした。2025/01/01
うりぼう
54
2月に買って、喜多川本にしては珍しく寝かせ、やっと読了。今が読むべきときだったのでしょう。この本は、七海と沙織の物語。それは、博史と恵子のお話でもある。有川浩の「海の底」ばりの状況だが、田舎なのか、まだまだ素朴な味わいがあり、ほっとする。おいべっさんと広場、そこには、何世代にも渡り、子供達の年齢を超えた成長の場があり、正にパワースポット。ここで磨かれた魂は、100まで残る。弥生さんは、灰谷さんの「天の瞳」、園長先生のようだ。年の功には、全てを包み込む優しさがある。この街でかかった芝居の中身が気にかかる。 2013/04/19
メタボン
30
☆☆☆ なかなか良い話でした。悪いことを隠し続けるのってすごく嫌な気分。だから沙織の気持ちも良くわかるし、正直に母に話して良かったと思う。この話では何と言っても寅之助が素晴らしい子。昔の価値観が現代の教訓になるという設定は、何だか今流行のドラマ「不適切にもほどがある」に通じるなと思った。2024/02/15
もちこ
25
子どもにとって、必要なことってなんだろう? 子供の幸せのために、大人がしてあげられることって、なんだろう? そんな疑問の答えのひとつが、この本の中にありました。 親として、子どもとどう向き合えば良いのか。 そして自分はどう生きたいのか。 自分を振り返って、改めて考え直すきっかけをくれたお話。 子どもが小さいうちに読めて良かった。 これからの私の子育ての指針になりそうです。 失敗することって悪いことばかりじゃない。 失敗して、反省して、学んで、次に活かす。 読み終わった後は清々しい気持ちになります。2025/02/26
Daisuke Oyamada
25
不思議な母子はどこからやってきたのか。まさにお見事、驚きのエンディングです。不思議な母子とありますが、とても素敵な母さんと、たくましい男の子のお話です。 主人公は小学校の先生。新学期の初日、不思議な転校生がやって来ます。その子の名前は、石場寅之助。色あせたTシャツに袴のようなチノパン姿。伸びきった長い髪を後ろに束ねた出で立ちと独特の話し方は、クラス中の視線を集めただけでなく・・・ https://190dai.com/2024/09/26/おいべっさんと不思議な母子-喜多川泰/2024/09/21