内容説明
自らの作品を呪物と化し、人々を襲った異端の芸術家・黒形上赤四郎。青年画家・影と幼馴染みの光、明兄妹はかろうじてその悪意を退けたが、また新たに不穏な情報がもたらされる。“黒い楕円”をモチーフとした黒形上の回顧展が開催されるというのだ。観客への影響を懸念する影たちだったが、新たな悪夢はより巧妙な形で日常の中にまで仕掛けられていた……。美貌の天才画家たちによる絢爛たるアート・ホラー、第2弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カナン
50
世界があり、作品があり、作者がいる。全ての芸術においてこれほど幸福な三位一体はない。けれどこのシリーズで暴き出されるのは己以外を全否定した天才が作り出す、芸術による圧倒的な暴力と汚染。悪夢のアートパンデミック。味方は増えるどころか殉職者は更に増え、最早旗色が悪いなどという段階ではなくなってしまいました。天才の遺児である、全く逆の感性を持つ天才画家である影が前作よりも少しだけ己を貫けるようになったのがせめてもの救いでしょうか。晴れた空を見て、「ブルックナーの最初の音みたいな青」と表現しちゃう明ちゃんが好き→2017/04/24
カナン
17
再読。感想はひとまず全巻の感想欄で。2022/08/22
マカ
7
美術調律者シリーズ第2弾。前作に続きグロイ。あの父親倒せるのか?と疑問に思ってしまう(‐∀‐;)悪?呪い?強すぎでしょ。影は大丈夫なのかなぁ・・・チーム美島には頑張ってもらわないと!!黒形上赤四郎のモノは勘弁。2014/09/19
あいちょ。
7
形上サン二作目。 息子より、悪玉の父親のキャラ濃いですよ…やはり。 来月、三作目発刊らしいですが、買うか否か思案中。2013/02/06
きゅーま
7
自らの作品を呪物と化し、自ら以外を否定し続ける異端の芸術家黒形上赤四朗。彼を崇拝するデザイナー日限が企画した黒形上の回顧展に関連して起こる奇妙な事件、増殖する呪い。人を超えた黒形上に立ち向かう影とチーム三島、彼を消し去ることはできるのか… これは…もしかしてこのパターンがこれからも続くのだろうか。しかし日常のいたるところにこっそりと呪いの爆弾が仕掛けられている、というモチーフにはぞくりとさせられました。影くんは重すぎるものを背負わされているなあ…光と明、チーム三島の面々の支えが見ていて暖かくなります。2012/11/30