集英社新書<br> 「最悪」の核施設 六ヶ所再処理工場

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集英社新書
「最悪」の核施設 六ヶ所再処理工場

  • ISBN:9784087206531

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内容説明

様々な原発報道において、なぜか盲点になっている場所がある。それが、青森県六ヶ所村の「使用済み核燃料再処理工場」だ。本格稼動すると「原発が一年で放出する放射能を1日で放出する」と言われるこの施設では、いくつものお粗末な欠陥が露呈し、しかも、直下には明らかに活断層が存在する。その危険性は、通常の原子力発電所の比ではない。本書は、それぞれの分野で「六ヶ所」にアプローチしてきた専門家たちの切実な訴えで構成される。このような施設を稼動させれば、日本のみならず地球全体に取り返しのつかない災厄をもたらすのである。【目次】はじめに 国を滅ぼす「自爆スイッチ」 明石昇二郎/第一章 「原子力後進国」日本の再処理工場が招く地球汚染の危機 小出裕章/第二章 シミュレーション「六ヶ所炎上」明石昇二郎 協力・小出裕章/第三章 核燃料サイクル基地は活断層の上に建っている 渡辺満久/第四章 再処理「延命」のため浮上した日本「核武装」論 明石昇二郎

目次

はじめに 国を滅ぼす「自爆スイッチ」 明石昇二郎
第一章 「原子力後進国」日本の再処理工場が招く地球汚染の危機 小出裕章
第二章 シミュレーション「六ヶ所炎上」明石昇二郎 協力・小出裕章
第三章 核燃料サイクル基地は活断層の上に建っている 渡辺満久
第四章 再処理「延命」のため浮上した日本「核武装」論 明石昇二郎

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zero1

45
【想定外】は責任逃れに便利な言葉。原発事故でも例外ではない。本書は六ヶ所村の核燃料再処理工場の危険について。【裏マニュアル、バケツでウラン】を思い出すJCO事故では2人死亡。もし再処理工場で事故が起きたら。大規模な放射線障害が起きる。凄惨な内容については読むべし。第3章では再処理工場の下を活断層が走っていると指摘。最終章は再処理の意味と核武装について。再処理はコストが高い。何故、直接処分しないか考察。☢️再処理工場が何度も完成延期になっていることを、殆どの人が知らない。廃炉の危険、コストも考えない。2024/04/07

まると

25
「使用済み核燃料」「再処理工場」はその言葉の語感から、臨界状態にある原発よりも注目されにくく、危険性が低いという誤解を生みやすい。だが、筆者たちによると、桁違いに高コストな上にひとたび事故が起きれば、原発よりもはるかに甚大な放射能汚染リスクを負う最悪の核施設なのだという。2012年刊で、原発関連施設の安全審査の仕組みは改まったが、問題の根は今も変わっておらず、政府もこうした意見を原発反対論者の戯言と無視し続けている。リニアと同様、六ヶ所村の施設はローカルな問題とせず、国民的議論をして是非を問うべきだろう。2023/02/17

coolflat

18
なぜ日本政府が汚染水を海に流すのか腑に落ちなかった。そこには日本政府なりの合理的な理由があるはずだと思った。上関町の中間貯蔵施設申請の報道と、六ヶ所再処理工場2024年上旬稼働予定の件と、小出裕章氏の講演での発言を受け、理由は六ヶ所再処理工場だと解釈した。再処理工場が運転を始めれば毎年18PBqのトリチウムを環境に放出する事になる(福島事故で溶け落ちた核燃料に含まれているトリチウムの量は3.4PBq)。福島の汚染水如きが禁止であれば、それよりも汚染されている水を流す六ヶ所は永遠に稼働できないという事になる2023/08/26

ナラサン

10
地元民(青森県民)としては、おおよそ「知ってた」な話がほとんど。だが最後のは全く初耳。核ゴミを「安全保障」の名のもとに軍事転用できる方向に法改正?これはヤバイでしょ。役人と御用学者と電力会社でとんでもないことやってるな。国民に一切アナウンスなしで。2012/09/30

青雲空

9
この本は広く読まれてほしい。再処理工場と聞くと、どこか原発より危険が少ないという印象がないだろうか?私は漠然とそう思っていたが。再処理工場の危険性は原発にまったく劣らない。 そして、技術的に困難で経済性に劣る再処理を目標としなければ、原発は直ちに停止に追い込まれる。再処理は原子力ムラの生命線になっているのだ。 2023/03/31

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