内容説明
「魔女さんのことが、好きです」 百年以上前から泥沼の戦争が続く世界。レイは単騎で敵を撃墜し続ける銀色の魔女、クッキィに恋をした。彼女への憧れから士官学校を卒業後、パイロットとしてクッキィのいる基地へとやってきたレイ。配属早々の戦闘のさなか、敵軍のエースに撃墜されたクッキィを救うため、レイは戦線を離脱する。ところが戦域から離れた場所で、死を望んでいるかのようなクッキィの言動に、思わず告白してしまう。そんなレイに、クッキィは銃口を向け、甘くささやく。 「世界を変えてみない?」 絶望的な世界のなかで、疾走する空戦と恋の旋律。GA文庫大賞《奨励賞》受賞作。 ※電子版は文庫版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
空箱零士
9
★★★ キャラの薄っぺらい狂人アピールは酷く鼻につくが、それを抜きにすれば結構まともなセカイ系の作品。ロボへのフェティッシュのなさも含めて、世界観の現実感のなさも全体的にキャラが幼い点も主人公の精神世界とマッチしており、結果的にセカイ系の作品世界の構築に成功している。幼いという指摘自体はその通りだが、むしろこれはその幼さを書いた作品だろう。ただしそれ以上の価値を見出すことは難しく、それだけで終わってしまった感も否めない。セカイ系としてはむしろ優等生なくらいだが、偉大な先行作品と伍しうる要素は見当たらない。2015/11/03
ドル箱
5
奨励賞感想。ん~随分と「イカれた」作品であり、少しオナニチックに書かれ、文章力の構成が「ぶつ切り」状態。恐らく、登場人物への想いを「著者がトランスして書き上げたかった」のではなかったのか。この「共鳴と想い」がこの作品テーマを示していると私は読みましたが、如何せん、まだまだ「幼い」今後、もっと、自作にのめり込まず、第三者の視点描写やプロット、構成、起承転結を「冷めた理念」で書ければ、少しは読めるラノベ作家に成るのでは?と視ました。2巻家にあれば(あったかな?)読み、無ければ切りましょう。その位のレベル。2013/12/02
ぺてがり
3
主人公がメインヒロインと付き合うため、彼女がいる部隊に入隊し、そのヒロインに引きずられ堕ちていくお話でした。主人公とメインヒロインが友軍をあっさり殺すなどなかなかどうしようもない人物で、そのような行動に共感を覚えることが出来ず、個人的にはいまいちでした。なお、ストーリーはだいぶ重たく救われそうに無い感じなので人を選ぶ作風だなと思いました。2012/09/04
椎名光琳
2
単純にタイトルを見たときはゆるい話かと思ったけど、読んでみると結構シビアなお話。自分が好きなやつ。人を殺すことの恐怖を人それぞれの方法ではねのける、そういうところが弱い人間をすごく上手く表現されてたと思う。続きが気になる。2013/06/03
ゴローさん
2
登場人物達が誰も彼もイカレてて大好きです。レイの真の性別にはかなり驚きました。でも読み直してみると所々伏線がちゃんと貼ってあるんですよね。メロディの設定やバトル描写が緻密で文章なのに臨場感があってすごい良かったですね。エリィの本心や激情が本当に痛々しかったです…2013/04/02