小学館文庫<br> 戦中派闇市日記

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小学館文庫
戦中派闇市日記

  • 著者名:山田風太郎【著】
  • 価格 ¥803(本体¥730)
  • 小学館(2012/11発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784094087499

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内容説明

医学生作家となった山田風太郎誕生の2年間

昭和22年~23年。25歳の青年は東京医学専門学校(現在の東京医科大学)で試験と実習に追われる傍ら、前年書き上げて探偵小説専門誌に投稿した『達磨峠の事件』が入選、人生の大きな転換期を迎えていた。
〈むずかしい。小説の苦しさを初めて知った(昭和22年3月30日)〉
〈新憲法施行の祝日だそうな――。冬に逆戻りしたような冷たい雨、風! ザマ見やがれッてんだ。推理小説「歯車」(仮題)構成す、『植物性神経外科』読(昭和22年5月3日)〉
〈朝、江戸川氏より明元旦午後より夜にかけ遊びに来ぬかとのハガキ来る。ひるごろ、ビヨウキエンキスルとの意の電報来る。この年末の忙しいのに乱歩さん、何をマゴマゴひとりで騒いでいるんじゃ(昭和22年12月31日)〉
探偵小説の重鎮・江戸川乱歩との交流、氏に宛てた手紙の草稿、食糧不足が続く占領下での日常、東京裁判の判決、殺到する小説執筆の依頼……青春の只中で、作家への道を歩み始めた日々と戦後日本を感性豊かに綴る。医学生・山田誠也から作家・山田風太郎へ――。混乱の渦中に記された、戦後最大の物語作家誕生の記録。『戦中派焼け跡日記』に続く、山田風太郎戦後日記シリーズ第2弾。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

電羊齋

4
このころの山田風太郎は医学を学びつつ探偵小説を積極的に投稿し、作家として原稿料がもらえるようになっていたようだ。「山田風太郎」というペンネームもこのころから使い始めたらしい。日記の内容を見ても、興味の対象が徐々に小説執筆へと移ってきているのがわかる。江戸川乱歩ら作家との交流も盛んになってきている。日記に記された読書内容もミステリーが増えており、なかでもアガサ・クリスティを高く評価しているのが面白い。 2020/11/21

おやぶたんぐ

2
江戸川乱歩、高木彬光、坂口安吾…様々な才能に出会う中で、自らの才能を開花させていく若き筆者の様子がリアルタイムで浮かび上がる。一方、勝者に阿る風潮を嫌悪し、東京裁判を嘲笑しつつ、もし日本が勝利していれば、米人弁護士のごとく戦争責任者のために奮闘する日本人は現れず、第一裁判など開かれないだろうと断言する思索の彷徨はなお続く。…それにしても「うんこ殺人」!2022/11/21

てら

2
戦後の食料事情や交通事情、風俗などの記録としても読めた。医学生であり作家の卵であった若き風太郎の「本音」がうかがえる。これほど劣悪な環境でも精力的に学び・遊び・書くエネルギーの源は。(風太郎は体力的には水準以下だったはず)2014/05/06

S_Tomo🇺🇦🇯🇵

2
「忍法帖シリーズ」や「魔界転生」などの作者・山田風太郎氏の戦後直後の医学生でありながら「探偵小説(今でいうミステリー)」の期待の新人として執筆活動に勤しむ頃の日記。 大成する前の若き作家としての日記と読んでも面白いが、日々の生活を通し、戦後直後の日本の有様をひしひしと感じるあたりが興味深い(二年間なのに物価の上がり具合がすごい)。 江戸川乱歩が生きている大御所作家として登場するのが当たり前とは言え新鮮。2013/09/03

コホン

1
勉強・執筆・映画鑑賞・読書とエネルギッシュな毎日。占領下の日本について、当時の日本人はどのように思っていたのか、生の声が読めたことが興味深い。2015/03/17

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