講談社文庫<br> 刑事のまなざし

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講談社文庫
刑事のまなざし

  • 著者名:薬丸岳【著】
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 講談社(2013/09発売)
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  • ISBN:9784062772990

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内容説明

ぼくにとっては捜査はいつも苦しいものです――通り魔によって幼い娘を植物状態にされた夏目が選んだのは刑事の道だった。虐待された子、ホームレス殺人、非行犯罪。社会の歪みで苦しむ人間たちを温かく、時に厳しく見つめながら真実を探り出す夏目。何度読んでも涙がこぼれる著者真骨頂の連作ミステリ(講談社文庫)。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

抹茶モナカ

428
元少年院法務技官の夏目信人刑事が主人公の連作ミステリー。ホームレスを扱った作品『ハートレス』が良かった。そうなのだ。踏ん張らなければいけないのだ。2013/10/05

サム・ミイラ

417
オムライス。どこかほのぼのした話を想像していたが、それは人間の奥底に潜む闇を抉る凄まじい物語だった。たった四十数頁の中でこれほどの話を創造する作者の力量に感服。ほんとうに凄い。これ一作だけでも絶対読む価値のある作品だ。七話からなる短編集だがそれぞれにやりきれなく哀しい人間の業を、ある時は優しくまた時に厳しく問う夏目刑事がいい。罪は必ず償わねばならない。先に進むために。作者の哲学を強く感じる作品。読んで良かった。2014/11/26

射手座の天使あきちゃん

374
夏目さんが真っ直ぐ過ぎる人間のため、そのまなざしが眩しくて犯人はつい本当のことを喋らずにはいられなくなる。そんな設定の7短編です。 秀作です。2015/03/14

三代目 びあだいまおう

348
通り魔に襲われ幼い娘が植物状態に。目も覚まさず、話すこともなく、身体だけ大人へと成長して。娘はもう10年も病室のベッドで眠ったまま。その設定が私の感情を揺さぶり翻弄する。主人公夏目は、過ちを犯した子らを更正させるための法務技官から、娘の事件を機に、人を疑い嘘を見抜き、犯罪者を追い詰める刑事に。どことなく不穏で社会の縮図のような池袋や沿線で起こる事件と関係者の罪と贖罪。夏目刑事のまなざしで明らかになる真実。物事の本質は言動や現象だけでは見抜けない。大切な人を支え続けるための、大事な何かを教えてくれる‼️🙇2020/06/12

nobby

316
これはまた必読本。短篇7つの描くテーマはそれぞれ重い。でも食い入る様に頁をめくる。何となく犯人や真相に勘づいて行きながら、その刑事のまっすぐさに心打たれた。自分は最初の「黒い履歴」の後半でもう涙…そして「オムライス」の終盤の真相への捻りに震え、とどめの標題「刑事のまなざし」の終息はやるせない、やりきれない…薬丸作品の素晴らしさをあらためて感じた今作。適度なインターバルを取りながら追い続けていきたい。2014/10/05

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