内容説明
高校に入学したての相原太陽は、オリエンテーションで独自の「桃太郎」を演出、上演し、絶賛されたことによって脚本を書きたいと思い始める。そのため演劇部に入るのだが、すでに3年生のチームが独占している。そこで太陽は演劇部の「のっとり」を企てて……。演劇部を軸に、絡み合う恋愛、自意識との葛藤、モテない男子のリアルな会話。誰もが自分の高校時代を思い出さずにはいられない、がんじがらめの青春小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TATA
26
舞台は地区大会へ。高校生らしい軋轢や衝突を繰り返していざ本番。正直、本番の劇中劇にはあまり感情移入できなかったけど、やっぱりこういう青春群像は読んでて目を細めてしまいます。おそらく作者も自信のその頃を重ね合わせた一作なんだろう。演劇に興味のない人も充分に引き込む力を持った作品でした。2017/09/03
星野
10
下巻。結構意外に時間かかったなー。丸々太陽が書いた戯曲が入っていて、その辺は軽く斜め読みした。なかなかやっぱり、愚かな自意識の重ね合いがリアルで笑ってしまう。先生が口ではそれなりのこと言って濁してるけど心の中で面倒くさいと思っちゃうくだりとかもわかる。笑 演劇かぁ、してみたかったかもなぁなんて思えた一冊。2015/06/15
Te Quitor
7
高校生が戯曲をつくり作中で演劇をする。また、この作品自体が台本のように描かれている。こういう小説の書き方もあるのか。こういう戯曲が演劇の元になるのか。なんだか想像していると楽しくなった。「演劇」を作るプロセスや高校生の心理描写がリアルなのも興味深い。句読点を多用するなど文章が独特なので小説としては読み難い、劇中劇も実際に演者が演じている訳ではないから、面白みを感じない。でも新鮮な気持ちで読める楽しい本だった。ただ自分は裏方の方が楽しそうに思える。2015/05/31
ミヤ
7
面白かったです。最後は本当に戯曲を読まされている感じでしたが、戯曲を読んだ経験などなかったので新鮮に楽しめました。「犬は去ぬ」は実際作者前田さんが高校一年生の時に書いた戯曲だそうです。すごい。2012/07/05
cassyu
5
クライマックスは太陽の書いた(前田氏が実際に高1で書いた)芝居でした。頭でっかちの高校生っぽいっちゃ高校生ぽいんですが、「君、これ、今一番主張したいこと?」って派手なパーカーのおっちゃんみたいなこと訊きたくなりました。演劇部一色だった女子高校時代フィードバック(作者の思うつぼ)かもですねw2013/07/21