内容説明
高校に入学したての相原太陽は、オリエンテーションで独自の「桃太郎」を演出、上演し、絶賛されたことによって脚本を書きたいと思い始める。そのため演劇部に入るのだが、すでに3年生のチームが独占している。そこで太陽は演劇部の「のっとり」を企てて……。演劇部を軸に、絡み合う恋愛、自意識との葛藤、モテない男子のリアルな会話。誰もが自分の高校時代を思い出さずにはいられない、がんじがらめの青春小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星野
12
パンチの効いた表紙と、タイトルが気になり図書館にて。「濡れた太陽」って、なんだかすごくいい。情感がたまらない。高校の演劇部のお話ですが、何やら出てくる登場人物がこぞっていちもつかかえてる‥というか、自意識の高さがみずみずしくて、何でか読んでいると、懐かしいやら可笑しいやら。文体が特徴的。いきなり台詞書きになるのでその辺が読みづらかったけれど、そこも含めて著者の描く芸術なんだろうな。2015/06/10
ミヤ
10
部活動系の小説を集めた図書館の特集コーナーに並んでいて興味を持った本です。タイトル通り高校演劇部のお話です。著者略歴によれば作者の前田司郎さんは演劇畑で活躍している方のようでリアルっぽい描写が多くて楽しめた。下巻へ続く。2012/07/04
そうたそ
6
★★★☆☆ 少し前に「幕が上がる」という同じく演劇部を題材にした話を読んだが、こちらはそれとまた違った味わいがあり、なかなかおもしろかった。演劇をしている、というよりは演劇部に入っている者たちの日常、という描き方のような気がした。下巻の終わりの方に関しては、ほとんど、戯曲「犬は去ぬ」そのままに進められていく。ちなみにこの「犬は去ぬ」は作者自身が高校一年生の時に書いた戯曲だとのこと。文字としての戯曲を見るよりも、やっぱり舞台で見てみたい。立て続けに演劇ものを読んだせいか、舞台を見に行きたくなった。2013/03/23
Te Quitor
4
前振り、前座の上巻。リアルな会話文。下巻はどうなる。小説ではなく戯曲として読んだ方が楽しめるかもしれない。2015/05/31
ゆずぴ
4
もう高校生ではないのでこのころのもやもやとかイライラを懐かしんで見れるけれど実際いる時ってそんなに穏やかにはいられないよね。あの頃を思い出してすごく懐かしくなった。演じることの恥ずかしさがすごくよくわかってああそうなんだよってものすごく思ったり。2014/11/14